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例年冬場に流行する「マイコプラズマ肺炎」の患者数が、平年の約3・8倍に急増している。小児がかかる「RSウイルス」の感染者も増加傾向にあり、今後さらに患者が増える恐れもある。厚生労働省は、手洗いやうがいなどで感染を防ぐよう呼びかけている。
子供がかかることが多いマイコプラズマ肺炎は、発熱やだるさなどの症状が表れ、熱が下がった後も乾いたせきが3~4週間続く。抗菌薬で治療するが、重症化すると、重篤の肺炎や胸に水がたまるなど、入院が必要になることもある。大人が感染することもあり、注意が必要だ。
国立感染症研究所によると、全国約500カ所の医療機関から報告された9月17~23日の患者数は、1医療機関当たり1・05人。例年よりも多かった前年同期(0・60人)を大きく上回り、平年(平成14~22年)と比べて約3・8倍に上っている。
増加した詳しい原因は分からないが、厚労省結核感染症課は「12年から増加傾向が続いている」と指摘。学校などで感染が拡大するケースもあり「せきのひどい人はマスクを着用するなどして感染拡大を防いでほしい」と呼びかける。
さらに、子供が感染する「RSウイルス」の患者も増えている。感染研が全国約3000カ所の小児科の報告をまとめたところ、9月17~23日の患者数は3562人。前年同期(1336人)の約2・6倍と高水準だった。全体の約71%は1歳以下の乳幼児だった。
例年12月ごろに流行のピークを迎えるRSウイルス。今年は9月の段階で昨年のピークを上回り、「流行の立ち上がりが早まっている」と感染研は警戒する。
RSウイルスの早期流行に関しては、昨年10月から診断キットによる検査が、1歳未満の乳児にも保険適用となったことも原因の一つと考えられている。RSウイルスの症状は風邪とよく似ており、これまで風邪と診断されていたケースで、RSウイルスの感染が判明した例も多いとみられる。
大人は軽症ですむが、乳幼児や心臓や肺に疾患を持つ子供が感染すると、肺炎や脳症を引き起こす恐れもあることから、厚労省は注意を呼びかけている。
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