嫌な女⑨ | ボーダーライン的日常

嫌な女⑨

翌日、本指名でやって来た村田に
「お腹空いたねえ」
と、言ってみた。
本当は全然空いて無かったけど。


連れ出しは暗黙の了解なので、外でランチしようと誘ったのだ。
近くにデパートがあるから、その飲食街のどこかで。


週末だからどの店も混んでいる。
あたしの予想通りだ。


鰻屋に入った。
鰻なら焼くのに時間がかかるだろうから。


二人でオーダーを済ませ(あたしはひつまぶし)いざ向かいあうと、やっぱりアレだ。


アレと言うのは、すごく不潔でも、すごく不細工でもないけど、何かが違う。
上手く表現出来ないけど人と付き合うスキルが無いと言うか。


お客さんは自分の話を聞いて貰いたい人が多い。だからこちらも上手く相づちを打つ(あまり聞いてないけど)


でも、村田は異常なぐらい人の話を聞いてない。

【質問されたから、回答したのにそれを聞いてない】
…そんなタイプ。


「この人は職場でもそうなのかなあ」
なんて思いながらひつまぶしを食べた。


村田はとっくに食べ終わっていたけれど。


よくまああんなに喋りながら食事が出来るものだと感心したのを覚えている。


続く。