渋谷の道玄坂あたりでタクシーを降りて、すぐナミの知っているバーへなだれ込んだ。 雰囲気はすごく良い所だが店が狭くて少し窮屈さを感じていた。 「ねえ部長、何飲みますか?」 「う~ん なんかお勧めは無いの?」 「私とおなじものでいいですか?」 「うん、いいよ ナミと同じものなら間違いなさそうだし」 ナミが飲み物をオダーしているうちにトイレに向かった。 トイレに入り携帯の着信を確認するとローズからのメールが入っていた。 メールの内容は こんばんわ、sin元気? この前の話なんだけど フィリピンには一緒に行けそうですか? という内容だった。 返信で 大丈夫、一緒に行けるから でも日にちが違うからマニラ空港まで迎えに来てね と返した。
携帯をポケットへしまおうとした時に電話が来た。 ローズからだった、「もしもし メールみた?」 「うん、見たよ それでうれしくて電話した。 本当に行けるの?」 「うん、大丈夫だよ 飛行機の予約もしたから」 「JALそれともフィリピンエアライン?」 「JALだよ、なんで?」 「降りる出口が違うから」 「そうなんだ、俺にわかるかな?」 「大丈夫、私も何回も使っているから。 降りたら入国手続きを済まして荷物を取ってから待合ロビーに来てね」
「いくけど、必ず迎えに来てくれよ」 「ばか、あたりまえでしょ 必ず行くから 待っているよ mahal ko」 「じゃあね、いま仕事だからまたね。 love you bye-bye 」 「おう、がんばって」 と携帯をきってそうそうにテーブルへ戻った。 ナミがオーダーした飲み物は来ていた 「ずいぶん遅かったね 奥さん?」 「違うよ、少しお腹が痛くなってトイレでがんばっていたから・・・」 「そうなんだ・・・」 「まあ、乾杯しようよ」 「えぇ・・・」 なんか言いたそうな顔をしていたが、無理やり話を流させた。 ナミが最近自宅に居る時に郵便受けに手紙を入れられたり、玄関のドアノブにプレゼントが掛けられたりしていて、気持ちが悪いと相談してきた。 聞くとナミの知らない人で自分のファンと名乗っている人らしい。 やめてもらいたいらしいが、誰かわからないし警察に届けようとしたが別に被害があるわけでもないから、行きようがないと言う。 確かにこのような件は本人がわかれば直接話すことも出来るが、知らない人となると確かに難しい・・・。 ナミは最近家に帰るのが怖いと言い出した。 なんとなく話がまずい方へと流れている 「でも、一度警察へ相談してみたら?」 「うん、でも今日また何かされていたらと思うだけで怖くなるし、家へ帰りたくなくなちゃう」 「そうだよな~どうしたらいいかな~?」 「今日は部長と朝まで一緒に居ていいですか?」 確かに次の日は休みだし、こういうケースの場合無理やり自宅へ帰すのはまずいかも・・・? でも、今日はいいとしても、頻繁には無理だから何とかしなくては・・・。 誰かわかれば俺から話してもいいが、肝心の誰かがわからないから・・・ 「ナミ、俺が警察へ行ってこの事を話すから心配しなくてもいいよ。 なんなら警察に定期的に見回りしてもらえばいいし、それくらい警察もしてくれるだろうから・・・」 「はい、ありがとうございます。 でも今日、部長と一緒に居れると思うだけで安心です」 なぜかいつも自分の思うようにいかないのが人生なんだろうなと思うときだった。
