2年前の夏、ごく普通のサラリーマンだった俺。 毎日営業で数字に追われ、その日も外回りを終えて会社に帰ろうとしていたら、上司から携帯電話に連絡が来た。 「お疲れ様、今どこにいるんだ」 「今取手の駅のホームです」「じゃ、上野を通るだろ」 この時、絶対に飲みに誘われると思った。 「じゃ、8時に仲見世通りの入口のAPで待ってるから」と一方的に話して携帯を切られた。 この前も朝方まで付き合わされ、嫁さんにいやみを言われたばかりだったのに・・・ 会社の上司の誘いだからなかなか断れない。 でも行きたくない。 今日こそ早く帰れるように何か口実を作って・・・ あっという間に上野に着いてしまった。 考えてる暇はない早くAPに向かわないと上司がイライラしてまた仕事の話を口実に絞られる。 「お疲れ様です」 「おー、遅かったな」これでも寄り道もせず走って来たのに・・・ 「すみません」 「じゃ、まずは居酒屋に行こうか」 「はい」ここまでなら自分も毎日でもいいな~と思ったりするが、これでは終わらないというか、ここからがこの上司の本当に行きたい所なんです。 「じゃ、ここ任せるから払っておいて」ほら来た 「次は俺に任せろ」いつものパターン。 フィリピンパブかキャバクラ 今日はどっちだろ?どちらにしても自分はあまりこう言うお店は好きではない・・・ 「おい、今日は新規開拓するか?」 「え?いつもの所じゃないんですか?」 「そうだ、今日はネットで見つけた、いい店があるからそこに行こう」 仕事中に?こっちは新規開拓で客先回りで汗流しているときに?「あ、はい」 信じられないと思ったが仕方がない。 「かわいい娘いるから、お前も気に入ると思うぞ」 「この娘なんかお前にあってるぞ」 「自分はいつものフリーでいいです」 「なんでだ?指名しろよ、遠慮なんていらないぞ」 といわれても初めてだし、タイパブは・・・ 結局自分だけはフリーにしてもらい、上司は両手に花状態で仕事の自慢話しで盛り上がっていた。 30分で女の子が変わるシステムの自分、最初ついた娘は20歳で日本に来たばかりで「日本の言葉がわからない、英語なら少しわかるから・・・」といわれても自分も英語は苦手だし・・・。 結局、お通夜状態で会話なし。 「おい、盛り上がっているか?何か話してやれよ!」 上司はつまらなそうな自分を見て盛り上げようとするが、「あ、はい何とか、がんばります」 そのうち2人目の娘が「いらっしゃいませ、この店初めてですか?」 「私はタイ人ではないですけど、はじめましてローズ(仮名)です。」 この出会いが後々の自分の恋愛に対する考え方を覆すことになろうとは・・・。