新型コロナウイルスの蔓延による経済の停滞、就職難、解雇等により、あらゆるところで格差がより可視化されてきている。
経済格差、教育格差、学力格差、正規・非正規格差、年収格差、消費格差等々である。
その中で、学力格差について書きたいと思う。
学力格差は、家庭の経済状況、親の文化的な度合い、親の育児・教育に対する姿勢の違い等により生まれる。
親の収入を統制した場合、子供と一緒に図書館、博物館等の文化施設を利用する親の方が子供の学力が高くなる。
同様に、蔵書数が多いほど、子供の学力が高くなる。(ただし、親がまったく本を読まず、ただ単に本を買い揃えている場合は、子供の学力と蔵書数とに正の相関関係があるとはいえない。)
もちろん、知能の約60%は遺伝要因であるから、親の知能が高い場合、それだけで子供の学力が高くなる。
親の年収と子供の学力には正の相関関係があるが、これは教育に使えるお金が多くなるからという理由だけではなく、年収が高い親は、読書家で知的好奇心が強いことが多いことも大いに関係している。
子供は親の真似をして成長するのだが、本嫌いで本など全く読まない親の姿を見て本をたくさん読む子供が育たないことは想像に難くない。
いきなりだが、真の問題は、「学力格差が問題となる社会」の方であると僕は考えている。
なぜ、難関の資格や有名大学の学歴や高い知能がないと、多くの場合、社会的地位が高く、雇用が安定で、高収入な職業に就けないのだろうか。
逆にいうと、こういう社会だからこそ学力格差が大問題となるのである。
これでは、知能が相対的に低い人は、一生、相対的貧困者(絶対的貧困ではない。)として生きろと公式に認めているようではないか。