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コーヒー&建築maniaxx

カフェを中心とした、建物と空間のお話なんかをまとめたくて始めました。yurioのカフェブロ的なもの。
とはいいつつも、食べるのも呑むのも好きなので、食と建物にまつわる幸せなもの全て。

早速本題。遭難のいきさつを。。。



[兵庫県立こどもの館]


ある人にどうしても見せたい景色があり、
ここにはどうしても来たかった。

安藤忠雄の建築を紹介するサイトで、見つけた美しい夕陽。
それをどうしてもどうしても伝えたかった。

たとえ、バスが2時間に1本でも、
休館日でも~!!



そんなわけで、
鬼ダッシュして間に合ったバスに飛び乗り、いざ桜山貯水池のほとりに建つ、
「こどもの館へ」GO。


暑さと体力消耗による過度の疲労で、
途中眠りに落ちそうなところを必死に堪え、
夕陽の時間までに何とかたどり着けそうで安心する。

途中「星の子館」(同じようにこどもターゲットの公共施設。こっちはプラネタリウムがある)を横目に見ながら、
「こどもの館前」で降りる。

バスの運転手さんに心配そうな顔をされながら
(だって何もない場所の上、休館日だしね)
復路のバス停の場所を聞いて降りる。

さて、どんな困難でも、大丈夫。
そこに建築と美しい景色と、それを伝えたいと思う強い気持ちがあれば!


こどもの館は、
兵庫県が運営するこどもの為の学習施設。
遊び場もあり、遊具は独創的で、
レジャー要素も兼ね備える。


そこに何で、休館日なのにわざわざ行けるのかといいますと、
安藤建築だからでふ。

安藤さんの建築は、
どんな人にでも解放されていて、どこからでも建物が見れるように出来ている。

自然と建物の境がボーダーフリーな建築が多いので、
内観は見れなかったとしても、外観は十分に堪能できる。

そして、安藤さんの建築は自然ととても仲良しなので、
外観だけ取ったとしても素晴らしい景観が期待できる。


んだけど、意外にも、しっかりゲートが閉じられ「やばい入れないかも。。。」
という事態。

けど、帰りのバスまであと2時間!あるし、
ここで引き下がるわけには行かない。

池を撮りたいの。こんなに明るくて静かな夕方は今日しかないの。
去年からの希望なの。



ちゅーことで、
ゲートの脇から何とか飛び超え不法侵入万歳三唱!
ワーイワーイww

ぐりぐり上ってエントリー。
建物の前に来て、なんだか大きな音が、
またしても嫌な予感。。。

「きゃー、人がいるやんけー!!」

休館日なのに。
どうやら何かの施工業者らしく、トラックやら工事道具やら沢山建物の前にある。

どうしよう。
見つかったら怒られるよね。。。ここは正直に出て行って謝って、
建物に対する情熱を伝え、堂々と撮影をさせてもらうかな。。。

いや、怒られて退散しなきゃならなくなったら、
今までの苦労が水の泡!


よし、確実な手段を取ろう!
うまーく潜伏しつつ、オーラを消しつつ、そして見つからないようにしながら撮影敢行!

(結局不法侵入w)


工事をしている現場を通らずにどうにか池側に出たくて、
工事現場と逆サイドのよくわかんない雑木林に入り込む。

でも地形上、建物の立地上、こっちで合っているはず。
池。



くもの巣を振り払いながら、
今は使われていないらしい小さく開けた場所に出る。

自由に枝を伸ばした木々の向こう側に、
キラキラと光る水面が見える。


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期待は高まる。
これなら、素晴らしい夕陽が撮れるかも!


迷わないように、建物に出来るだけ沿いながら池を目指す。

ふと目の前に、空につながる丸太の階段を見つける。
これは、もしや・・・

上るとそこは、池を見渡す展望広場。
風が一気に通り、水面のまぶしさに目が眩む。

美しい!!!



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ここは、姫路の山々に囲まれた、桜山貯水池。
貯水池という言葉が不釣合いな、広大なそれは、
まるで古代からそこにある湖のよう。

桜山という名前にふさわしく、
桜の木々に囲まれたその湖は、
太陽の光をいっぱいに浴びて、神々しく輝いている。


夕陽の時間まで、あと、1時間くらいだろうか。
ここを発つ本日最後のバスの時間までに、
あの写真と同じ夕陽は撮れるだろうか。。。


相変わらず人の気配にびくびくしながら、
陽が落ち始めるその時まで、外観を撮影。

ガラス越しに内観を覗くと、
素敵な景色が広がっているのがわかる。

けど、仕方ない。
今日しか来れなかったし、
今日だからこんなお天気に恵まれたんだもの。


完全に脱水症状で、フラフラの体、それでも時間は限られているから、
自動販売機を探しに行くことはできない。

とゆーかそんな素敵なもの、館内にしかない。



焦ってバスに乗ったから、
飲み物買う時間もなかった。。。。辛い。

これが世に言う「熱射病」ね。気持ち悪い。死む。


隠れながらの撮影と、暑さで意識が遠くなりそうなその時!
水飲みタンク発見!

神様はいるのねーーーー!

あの、文化センターとかでよく見る、冷たい浄水がでるやつですね。
さっすが「こどもの館」

こどもの健康を考えている!


命がつながり、
いつの間にか工事の業者さんも引き上げいなくなり、
あとは夕陽を待つのみ。


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最上階の円形ステージが、一番の見晴らしであることを見つけ、
そこで、角度を決め、
その時を待つ。



じきに、白かった太陽の光がだんだん赤くなり、

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水面が橙に染まり始めたその時、
今回の旅の大事な目的が達成されました。

これを、これが欲しかった。。。


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良かった。
やっぱり写真は、頑張った分だけ最高の表情を切り取ってくれる。
(もっと素敵な写真は、写真部かFacebookに)



満足いっぱいに笑顔いっぱい。



さてと、帰ろうかな。あ、やべ、案外時間ある。。。
あと1時間弱、何しよう。。。

とりあえずクタクタだから休もう。

暑さ&眠気と戦いながら、
コンクリートの階段に身を寄せてぐったり。

む・・・寝そうだ。これはやばい。
ここで寝たら、それこそ遭難。
いい大人なのに、それはない。



バスの時間まで何とか堪え、
行きとはまったく違う晴れ晴れとした気持ちで帰りのバス停へ向かう。

時間を過ぎても来ないバスにドキドキしながらも、
きちんと姫路駅までたどり着けました。


遭難?
したよ、でも遭難を遭難にするかしないかは結果次第。

yurio野生児説w



今日は本当に長かったよー。

さぁ、ここから西明石に向かいます。

明日は、淡路島、安藤忠雄の巨大ワンダーランド「淡路夢舞台」へ!


■兵庫県立こどもの館




3日目、酷暑の中、
姫路の山で遭難した話しなんぞを。。。

すでに帰京済みですが、意地で最後まで書きます!

まずは文学館から。




[姫路文学館]


ほんとは姫路城の後ろの、兵庫県立歴史博物館(by黒川紀章)に行って、



カフェで姫路城を見ながらゆっくりお茶を。。。

なんて思ってたけど、無理!時間ない!


今日は最後の目的地で涙モノの夕陽を撮るとゆー目的があるから、
三時のバスに乗らなきゃいけない。


ちゅーことは、あと二時間ちょい。二軒は回れない。
姫路城ではしゃぎすぎた。。。




歴史博物館を泣く泣く諦め、いざ安藤建築「姫路文学館」へ!


が、デジカメラのバッテリーが危ない!

とりあえずマックで、休みつつ、タイムスケジュール確認しながらバッテリー充電。


マックで充電するなんて、女子高生の時以来。
まぁ、なりふりかまってられません。



無事、あと二つ分くらいの充電を終え、また姫路城方面に向かう。


当たり前だけど、お城の周りは高い建物なんて無いから、
灼熱のお掘り沿いを歩きながら、お城の裏手側に向かう。



途中からさっくり住宅街に入り
「ほんとにこんな場所にあるのかしら?」
と不安になりながらも、細い道をひた進む。





暑くてあたまがボゥっとしてきたところで、
突然あらわれた鉄筋コンクリートのかたまり!


コンクリートの色や、緑に囲まれた周辺のつくりで、
すぐに安藤建築とわかる。


姫路文学館は、司馬遼太郎をはじめ、
主に近畿エリアで活躍した文豪の活躍を紹介したものを中心に、


姫路の文学や姫路城の歴史を、
「地域」というテーマで集約した公共施設です。



この建築のテーマは水とガラス。

建物は二つに別れ、展示の内容が異なる。

向かって右側のメインの建物は、斜面に斜めに立っている。
上のほうの池からは階段状に小川?が流れ、
左側の大きな池で静かに溜まっている。



時間が無いので、早速撮影を開始。

汗を沢山かいたけど、
建築を目の前にすると暑さも日焼けも、汗も忘れてしまう。


けど、暑いは暑いので、一通り
右の常設展示の建物からエントリー。



入ってびっくり、そこは美しきパラレルワールド。

橙の照明が弧を描く壁一面に広がり、
マス状にデザインされた壁面の一つ一つが、姫路の歴史を語る箱になっている。


天井から差し込む光は、
その大胆で暖かい橙の明りを殺すことなく、上空でふんわり見守っている。


大きな大きならせん状の館内は、
通路を上るほど、違う景色を見せてくれる。



一番上は、キャットウォークのように、
天井と壁面に沿って歩けるようになっていて、
そこから見下ろす館内もまた幻想的でいい。



まさにノスタルジック・・・



途中外へひょっこり出て、
建物沿いの竹林かの合間から見える街の景色にびっくり。

案外標高高いのね。

小高いところに建っているらしい。



池のキラキラと反射する光と、
コンクリートからの照り返しにまぶしくて目を細めながらも、
ガシガシ撮影。



滞在時間1時間弱!



姫路城でのんびりしすぎた。。。



なごり惜しさいっぱいに、
次なる建築「こどもの館」へ向かうため、再度駅前に向かう。


■姫路文学館
帰りの新幹線で一気に日記更新です!




[姫路城]


どうなのこの暑さ!

近畿地方って本当に暑いのね。



本日は念願の姫路城へ登城。

現在改修工事中だけど、このタイミングで見なかったら、
次ぎいつ来れるか分からないからね。


しかも改修完了まで数年あるから、
終わるの待てないし、今見たいんだもん!



姫路駅の観光案内所は、とてもきれいで、
まるで大きな商業施設のインフォメーションカウンター。

さすが国際都市、世界遺産がある街は違うねぇ~!



勝手に「姫路ちゃん」と名付けていた、ご当地キャラ「しろまる姫」に迎えられ、

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本日回るお城と建築の情報をゲット☆
さっそく姫路城へ向かう。


うだるような暑さ、炎天下にアスファルトの照り返し。死ぬ。


そんなに歩いていないのに、本気でフラフラ、
日陰はないかと辺りをキョロキョロ見ていたら、
日陰はないんだけど、アーケード商店街はいっぱいある。

しかもそれぞれが大きくて、街の人たちがどんどん吸い込まれていく。
あぁ、だから道路脇の歩道に人が歩いていないのね。


私も入ろうかと思ったんだけど、
遠方から徐々に接近する姫路城から目が離せないので、外を歩くことに。


駅から歩いて10分弱、小高い山の上にあるお城は、
鉄筋やクレーンに囲われてはいるものの、

その威厳は健在!

工事用の鉄筋のジャングルジムの中からガンガンオーラを放ってる。


とは言っても、天守閣の半分くらいは十分見れるので、

まだまだ観光としても、
建造物を見に来るにしても訪問価値はあります。



姫路城は、現存する城郭の中でも、
江戸初期の城郭をそのまま残しており、且つ保存状態も良い事から、
ユネスコ世界文化遺産に指定されており、

なんなら国宝でもあります。

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別名は「白鷺城」。

お城に向かって右側は大天守を囲む三つの小天守と、各櫓、
お城に向かって左側には千姫ゆかりの西の丸と百軒廊下が長く伸びる。


そう真っ白なしっくいの壁の姫路城は、
左翼と右翼が美しく優雅に広がっていて、
まるで白い鷺の様な見た目をしていることから、
この別名がつきました。

姫路城を上空から撮った写真は、もう本当に白鷺そのものです!



江戸に入ってから完成された城郭は、
防衛や攻撃を目的とした要塞の面影を残しつつも、

どちらかというと地方自治の拠点となるような、
どっしりとした構え。

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戦国時代の名残ももちろんあるけれど、
どこかゆったりしているのは、

城閣内お城の目の前にある桜の木の大きな広場や、
木の特性や高低差を考えた植樹かしら。

要は景観を考えて作られているという事です。


和歌山城っぽい。
こののんびり感。

和歌山城に行ったことない人は、
皇居のあの風景を思い描いてください。

もっと土や木は多く素朴に自然体で、あんなに現代風ではないですが。

お堀は整備された石垣に大きな桜の木が生い茂る。
これもこの時代の流行かしら。


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内庭をのんびり眺めながら、
天守麓まで辿り着き、入場券を買ってエントリー。

天守閣に入れないのは想定外だったけど、

国の宝を守るため、
みんなが一生懸命作業していると考えれば、仕方ないと思える。

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う~ん、でも大天守頂上からの眺望は見たかった!

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このお城の特徴は、城主が変わるごとに改修、
増強された証跡が至る所にあること。

たとえば瓦に押された刻印や外壁の石垣など、
何種類もの家紋が見つけられる。

あと、やはり白鷺の右翼を成す、
西の宮百軒廊下ですかね。


お城のお女中集が暮らす長屋はよくあるけど、
こんなに長いのは初めて見た。

それだけ奉公人を抱えられる財力があったとゆー事でしょう。


お城の各所から眺められる天守閣にうっとりしながら、真夏の姫路城に満足です。

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桜が有名なので、桜の季節に次は来たいな。

ぁ、ちなみに「雪の白鷺」も圧巻らしいですよ。


■ 世界遺産国宝 姫路城
http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/legacy.html
急げ日記更新!現在三日目、まだ二日目が終わらない。。。




[兵庫県立美術館]


大満足の比叡山を後に、駆け足で兵庫入り。


さて、安藤建築にやっと辿り着きます!


兵庫に入る辺りから、周辺は都会に。

途中通り過ぎた三の宮の駅なんかは、もー東京と変わらん。



疲労でぐぅぐぅ寝てるうちに灘駅着。

目指すは港を臨む巨大施設、兵庫県立美術館。

入館時刻には間に合わないけど、陽が暮れる前に行かないと、外観が撮れない!


駅からも駆け足、海に向かう坂を小走りに降りて、何度か転びそうになる。


坂が終わるころ現われたその建築は、一目で安藤建築と分かる。



風通しの良い建物、随所に設けられた「意味のある階段」、遊び心のある休憩スペース、

そして帽子のつばのような突き出した屋根に、港を向いたガラスの建物。

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がー!素晴らしい!


チェーンが張ってある立入禁止表示なんて見えないもん!

安藤さんの建築は環境と一帯の公共建築だから、

基本どんな人にでも解放されているんだもん。



一通り撮り終わったら、もー足がガクガク、足の裏限界。


港の潮風にあたりながら、少し休憩。



この辺は、阪神淡路大震災の時に被害が大きかったエリアで、

地域復興の一貫として、美しい環境整備と、集客・観光の要となる施設が多く建てられた所。

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今では地元の人の憩いの場ともなり、
ジョギングしてる人、遊んでる子供、ワンコの散歩など、ちゃんとコミニュティとして復活してる。


この辺一帯を「なぎさ公園」と言います。


[なぎさ公園マリンステージ]

港沿いのウッドデッキを歩きながら、続いてマリンステージへ。

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これも安藤作品ですが、小規模なもの。

円形の観覧席と、港をバックにした舞台。

とてもシンプルだけど、これを屋外で吹き曝しで作るのが安藤さんらしい。



辿り着いた時は、夕方のちびっ子たちの遊び場になっていた。

建築が人と環境を繋いでいる感じがいいです。


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うー、足が限界。

明日は姫路城!この後姫路へ移動します


■兵庫県立美術館
http://www.artm.pref.hyogo.jp/

■なぎさ公園マリンステージ
http://arc-no.com/arc/hyogo/hyogo-nagisamarin1.htm