NHKニュース9の広重の版画復刻を見ました。
ニュースの中の1コーナーでしたが、久々に震えるほど感動しました!
簡単に内容を書いておくと、東京に住むある人が親族の遺品を整理していたら、版木が出てきたとのこと。それは「墨田堤闇夜の桜」という女性を描いた絵で、浮世絵復刻でおなじみのアダチ美術館の人がその版木で実際に摺って浮世絵を完成させる、というものでした。
この「墨田堤闇夜の桜」というのは、版元が伊勢市というところで、改印が名主印2つ、つまり弘化4年から嘉永5年までの作品ということになります。私なりの落款の筆跡鑑定では、嘉永の後年のように思えます。
この作品は、3枚つづりで今回見つかったのは一番左側の作品ですが、そのことはテレビでは解説していませんでした。
この女性の持つ提灯の「小倉庵」は、小梅にあった料理屋で、ある料理番付ではしゃれの方の9番目に上がっていることから、かなりの有名店でです。ちなみに一番は八百善でです。
この「小倉庵」は、このブログでもよく取り上げている東都高名会席尽で広重が取り上げている店でもありました。東都高名会席尽は嘉永5年の作品であるので、落款の字体とこの関連から「墨田堤闇夜の桜」は嘉永年間の作品である可能性が一層深まりました。
それにしても、貴重な江戸時代の版木に絵具を入れて摺るという、なかなか見れない映像でした。普通は版木を復刻してから摺り、本物には手を入れないものなのですが、この所有者は「一度摺ってみたい」という意思から、本物の版木で摺るという貴重な経験を披露してくれました。
NHKと所有者さん。貴重な映像をどうもありがとうございます。
