○そら森虫 ひげおじさんの鵜の目鷹の目
「オホーツク塾*」余話 J君の真実
夕食の時間なりみんな食堂に集まり始めた。
J君が腕が痛いという。
昨夜も、就寝前も腕を痛めたと言っていたので、用心のため救急病院へ連れて行った。
診断の結果、打撲で骨には異常がない、少し静かにしていれば大丈夫というのでほっとした。
昨夜、腕が痛いといっていると聞いたので、早速見に行った。
「どうした」って訊くと、
右腕の関節部分を押さえて、この辺が痛いと言う。
何があったんだとJ君に問うても明確な返事がない。
ただ「痛い」と言うばかり。
周りの者に訊いても「見ていないから、分らない」という返事しかない。
A君とB君が取っ組み合いをしたときは、当事者や周りのものは
「オレは悪くない」とか「オレは何もしていない」
という言葉が返ってきたのだが、今回は誰も何も言わない。
痛めた時の状況を十分に把握できないまま、J君の様子を見ていると、
痛みも徐々におさまってきたようなので、もう一度
「大丈夫か」と声を掛けるとこっくりうなずいたので、
みんなが寝静まるのをみとどけてから、自室に戻った。
今日は、朝から天気も爽やかで、みんなと元気に地引網を曳いていた。
オホーツク流氷センターでの厳寒体験では寒さにもめげず元気にはしゃいでいた。
昨日、痛めたところが今日は楽しく腕の痛いのも忘れ、動かしたので痛くなったらしい。
痛めた真相は、結局おじさんたちには分らなかったが、
帰宅後母親はその理由を聞き出したという。
布団の上でサッカーのオーバーヘッドキックを試しているうちに腕を痛めたとのこと。
さすが母親、子を見抜く力に母親力の偉大さを見た感がある。
*「子ども自然体験塾」佐藤和利館長の『オホーツクの海と山』in紋別 23年8/1~8/4(今年も実施予定)