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橋本ブログ

今日は俺のギターサウンドの変遷についてでも。

キッズの頃の俺のギターヒーローは、ザックワイルド。

メインギターにレスポールを選び、ピックアップにEMGを乗せたのも、当時憧れていたザックワイルドを真似てのもの。

アンプにマーシャルを選んだ理由も、当時市場に出はじめたばかりだったJCM2000の重低音サウンドにノックアウトされ、「これなら俺でも重低音サウンドを奏でる事が出来る!」と思ったから。

この二つは当時のキッズが揃える鉄板ペアで、「これで俺もザックワイルドに近づいた!」と未来の自分を夢見て黄昏てたものだ。

しかし、すぐに困った事態に陥った。

揃えた機材をどうチューニングしても、ザックワイルドの音に近づかない。

何度やっても、何度録音しても、理想のサウンドに辿り着かない。

おかしい、揃えた機材は間違いないはずだ。

業を煮やした俺は当時の先輩に相談した所、先輩から「お前は今のままでは一生理想のサウンドには辿り着けない」と突き放されたのを今でも覚えている。

先輩曰く、良い音なのか、理想の音なのかを決めるのは、「耳」であって、「機材」では無い、と。

「耳」を鍛えてないお前には、いくら「機材」を揃えても理想の音には辿り着かない、と言われた。

キッズだった俺の音楽人生を変える、衝撃的、電撃的な一言だった。

どんな良いギターを使っても、どんな良い機材を揃えても、聞き分ける「耳」が無ければ、良い音は作れない、と。

裏を返せば、聞き分ける「耳」さえあれば、どんなシチュエーションや機材の組合せであっても、自身の理想とする最良のイコライジングができる、という事だった。

俺はそれを聞いて、それ以降機材を買うのをやめた。

今でも当時買ったレスポール、マーシャルがメイン機材なのはその為だ。

俺は耳の鍛錬の為にMTRを買った。

MTRを使いバンドミキシングを繰り返す事で、ギターだけではなく、ベース、ドラム、ボーカルにそれぞれ支配的な周波数帯があり、そこが互いに複雑に影響し合って、その先に聞こえるてくるのが、本当の自分のギターの音である事を理解した。

メーターではすべて分からないので、「耳」で調整していく作業。

ミキシングが上手になるにつれ、ギターサウンドも自分の理想の音にどんどん近づいて行った。

他のパートを聞き、削る所を削り、出すところを出すスタイル。

だから常に自分の理想とするサウンドに近づけるため、今でも「耳」の鍛錬は続けている。

今は作曲しながらデジタルサウンドとバンドサウンドのマッチング。

デジタルサウンドにも、大きい音を出さなくても、抜ける音がある。

それもバンドサウンドと合わせながら見つけていかないと、本当に効果的なサウンドが分からない。

音の探求はまだまだ続く。