クイズ番組が終わり、チャンネルはそのままで、今度は芸人コンビが漫才を次々と披露していく有名な番組を二人で見る。
二言三言話した後はどちらからともなく無言になり、家のすぐ前の道路を車が通るかすかな音と、あたかも編集でとってつけられたような笑い声が聞こえてくるだけの空間。
お兄ちゃんが電話をかけてからしばらくして、ピザの宅配の男がインターホンを鳴らした。
門の先まで出て代金を払うと、決まり文句のありがとうございましたを言い、ピザ屋のロゴを背負った宅配員は原付バイクに乗って走り去る。
リビングのテーブルにお兄ちゃんがピザを持ってくるのと同時に、僕は台所からジュースをパックごと持ってきた。
もう片方の手には、二人分のガラスのコップ。
二つのうちひとつのコップを差し出すと、お兄ちゃんは受け取って自分の目の前に置く。
ピザ屋のマークがでかでかと書かれた箱のふたを開けると、ピザからうっすらと湯気とにおいが立ちのぼった。
宅配のお兄さんの頑張りが見えたような気がして、心の中で少しだけお礼を言った。
「そういえばさ・・・。」
ピザをほおばりながら、未だに続く『爆笑オンパレード!!』なる番組の笑い声をバックで流したまま、お兄ちゃんが一言こぼした。
「・・・なに?」
「いや・・・俺の思い込みだとは思うんだけどさ、・・・今日、俺がいない間にさ・・・誰か来なかったか?」
その質問で僕は、忘れていたことにはっとした。
んでも、・・・今になって考えてみればそんなに変な話でもないが。
「ああ、そういえばさ。今日の昼間に男の人が訪ねてきたよ。なんかね、最近近くに越してきたらしくってさ。ほら、新しく出来たアパート、あるでしょ?あそこに越してきたんだって。」
お兄ちゃんはピザをかみ砕きながら、無言で話を聞いている。
僕も一呼吸置くために、一口ほおばって再び話し始めた。
「んでね、なんか・・・父さんたちに挨拶に来たらしいよ。いないって言ったら、いつ帰ってくるかとか聞かれたし。」
「・・・んで?何て答えたん?」
「明日にならないと帰ってこないです、すみませんって言っといた。そしたら、それじゃあまた改めてって言って、他んとこ周りに行ったと思うよ。アパートの方向には戻らなかったし。」
テレビに向けていた視線をお兄ちゃんの側にちらっと向けてみると、手元を見たままお兄ちゃんは少し険しい表情をみせた、・・・気がした。
口の中でも噛んだのかな、なんて考えていると、お兄ちゃんが二つとったピザのもう一つの方を開けながらちらっと僕の方を見た。
「な、・・・なに?僕なんか変なこと言った?」
「・・・いや、なんでもない。中学で不審者がなんとかって言ってたから、少し気になったんだよ。そっちでも、なんか話なかった?」
「あったけど・・・なんでそれを今?」
素朴な疑問を投げかけると、お兄ちゃんはジュースを一口飲んで、そのあと大きなため息をついた。
「・・・いや、考えすぎかもしれないけど、・・・俺が帰ってきたときに家の前に誰かいたんだよ。坂を下りて近づいて行くと、こっち向いたかと思ったらそのまま坂の下の方に歩いて行ったから・・・。ま、気にしすぎだと思うがな。」
その話を聞いた後の僕は、なんだか少し嫌な感じを覚えた。
そんな僕の周りの淀んだ空気など知ったことではないとでもいうように、同じパターンの笑い声が、まだテレビから流れてくる。
二言三言話した後はどちらからともなく無言になり、家のすぐ前の道路を車が通るかすかな音と、あたかも編集でとってつけられたような笑い声が聞こえてくるだけの空間。
お兄ちゃんが電話をかけてからしばらくして、ピザの宅配の男がインターホンを鳴らした。
門の先まで出て代金を払うと、決まり文句のありがとうございましたを言い、ピザ屋のロゴを背負った宅配員は原付バイクに乗って走り去る。
リビングのテーブルにお兄ちゃんがピザを持ってくるのと同時に、僕は台所からジュースをパックごと持ってきた。
もう片方の手には、二人分のガラスのコップ。
二つのうちひとつのコップを差し出すと、お兄ちゃんは受け取って自分の目の前に置く。
ピザ屋のマークがでかでかと書かれた箱のふたを開けると、ピザからうっすらと湯気とにおいが立ちのぼった。
宅配のお兄さんの頑張りが見えたような気がして、心の中で少しだけお礼を言った。
「そういえばさ・・・。」
ピザをほおばりながら、未だに続く『爆笑オンパレード!!』なる番組の笑い声をバックで流したまま、お兄ちゃんが一言こぼした。
「・・・なに?」
「いや・・・俺の思い込みだとは思うんだけどさ、・・・今日、俺がいない間にさ・・・誰か来なかったか?」
その質問で僕は、忘れていたことにはっとした。
んでも、・・・今になって考えてみればそんなに変な話でもないが。
「ああ、そういえばさ。今日の昼間に男の人が訪ねてきたよ。なんかね、最近近くに越してきたらしくってさ。ほら、新しく出来たアパート、あるでしょ?あそこに越してきたんだって。」
お兄ちゃんはピザをかみ砕きながら、無言で話を聞いている。
僕も一呼吸置くために、一口ほおばって再び話し始めた。
「んでね、なんか・・・父さんたちに挨拶に来たらしいよ。いないって言ったら、いつ帰ってくるかとか聞かれたし。」
「・・・んで?何て答えたん?」
「明日にならないと帰ってこないです、すみませんって言っといた。そしたら、それじゃあまた改めてって言って、他んとこ周りに行ったと思うよ。アパートの方向には戻らなかったし。」
テレビに向けていた視線をお兄ちゃんの側にちらっと向けてみると、手元を見たままお兄ちゃんは少し険しい表情をみせた、・・・気がした。
口の中でも噛んだのかな、なんて考えていると、お兄ちゃんが二つとったピザのもう一つの方を開けながらちらっと僕の方を見た。
「な、・・・なに?僕なんか変なこと言った?」
「・・・いや、なんでもない。中学で不審者がなんとかって言ってたから、少し気になったんだよ。そっちでも、なんか話なかった?」
「あったけど・・・なんでそれを今?」
素朴な疑問を投げかけると、お兄ちゃんはジュースを一口飲んで、そのあと大きなため息をついた。
「・・・いや、考えすぎかもしれないけど、・・・俺が帰ってきたときに家の前に誰かいたんだよ。坂を下りて近づいて行くと、こっち向いたかと思ったらそのまま坂の下の方に歩いて行ったから・・・。ま、気にしすぎだと思うがな。」
その話を聞いた後の僕は、なんだか少し嫌な感じを覚えた。
そんな僕の周りの淀んだ空気など知ったことではないとでもいうように、同じパターンの笑い声が、まだテレビから流れてくる。