川越を訪れた際、『川越歴史博物館』にも立ち寄りました。
ずらりと甲冑が並ぶ館内。
▲銀箔押一の谷形兜
NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で使用された兜です。
▲鉄錆地黒乱髪額鉄形眉庇兜。毛髪を用いた装飾が何とも不気味です。
▲金箔置抹頭形兜。前立てのモチーフはうさぎと三日月です。
中曽根総理大臣の頃、レーガン大統領のもと、日米の文化交流をはかる為にイベントが開催された折、日本の文化を代表する一品としてアメリカ各地の博物館を廻って特別展示され、入館券やガイドブックの表紙にも起用されました。うさぎと三日月は月への信仰やうさぎの俊敏さにあやかり、よく兜のモチーフにもされていたようです。
▲鉄地獅噛形兜。鬼気迫る表情に目を奪われます。
このような変わり兜は、鉢の上に和紙や皮革、動物の毛等で装飾を施したものと、鉢の形状自体を加工して作ったものがあり、動植物や器物、地形、神仏等、モチーフは多岐に渡ります。当時の武士の気性を反映した奇抜なデザインが多くみられ、げん担ぎの為、または敵を威嚇する為に、あるいは威光を誇る為に身につけられてきました。
▲銀箔押二枚折紙頭立兜。菱形の部分は紙で出来ているそうです。
▲南蛮帽子形兜。織田信長所用と伝えられています。
▲本伊予札赤白威丸胴具足。桃山時代のものだそうです。
▲黒漆塗紺糸威二枚胴具足
千葉の佐倉藩城主塚田家伝来の具足と伝えられており、前立てのモチーフは塚田家の家紋、五木瓜です。
▲黒漆塗縫延胴二枚胴具足。
こちらも桃山時代のものだそうで、こんなに華やかで煌びやかでありながら、実戦向きなつくりなのだそうです。
撒きびしやくない等の忍具も展示されています。
▲馬鎧
鐙も西洋のものとは違い、スリッパのような形状になっている為、足の裏全体で体重を支えることが出来、立ったままの騎乗も想定したつくりなので、立ち乗りしながら刀を振るったり、矢を放つことも可能だったと思われます。馬鎧は軽量化の為、布や紙で作られているので、展示出来るような状態で現存するものが少なく、貴重な資料です。
▲武田の騎馬隊が着用していたとされる甲冑
歩兵から見て、騎乗している姿が一番恐ろしく見えるように作られているそうです。
この角度から見た時ですね。
この角度から見た時ですね。
館長さんからマニアックな解説をいただけたり、貴重な展示物も盛り沢山の『川越歴史博物館』、川越を訪れた際には、ぜひお立ち寄り下さいませ。
参考HP:『兜を売りたい方の為の買取講座』