『筑波実験植物園』では6月8日(日)まで『クレマチス園』を公開していました。
▲東屋と新緑
ヤマボウシが見頃でした。
▲クレマチス ”コンテス・ド・プーショ”
クレマチスは、日本でも茶花として知られるテッセンやカザグルマを含めたキンポウゲ科センニンソウ属植物の総称です。北半球の温帯地域を中心に約300種が分布しており、日本にも変種を含む31種が自生しています。園芸品種の育成は、19世紀からヨーロッパで積極的に進められ、野生種の持つ特徴のうち、『大輪、花を多くつける、花期が長い、花色が鮮やか』などの形質を生かした品種が、種間交雑などにより作り出されてきました。その中でも、日本に分布する『カザグルマ』は古く1600年代から観賞用に育成されてきた植物ですが、自生地が確認された場所は日本国内に20数ヶ所と非常に少なく、絶滅危惧種として登録されています。
▲クレマチス ”ビクトリア”
▲クレマチス ”ブルー・ライト”
▲クレマチス ”エビヨヒル”
▲クレマチス "アンドロメダ”
▲クレマチス "コロナ”
▲クレマチス ”ドクター・ルッぺル”
▲クレマチス ”ボリューソー”
▲クレマチス ”ビル・ド・リオン”
▲クレマチス "H・F・ヤング 八重”
クレマチスの紫や赤色の花は、アントシアニンという色素によって発色しています。アントシアニンは500種類以上が知られていますが、このうちデルフィニジンというタイプの色素によって、花は紫に色付きます。筑波実験植物園ではクレマチス某種の紫色の色素についての研究が行われており、デルフィニジンを基本とする複雑なアントシアニン色素が多数発見され、そのうちのいくつかはクレマチスで初めて見つかった新しい色素であることが分かっています。
▲クレマチス ”藤娘”
これらの一部は、青色花の”藤娘”などにも含まれているため、青い花の発色にも関わっている可能性があり、現在さらなる研究が行われています。