少し前のことになるが、思い出したので書き留めておきたい。

 

2020年5月、安倍政権が強引に進めていた検事長の定年延長、すなわち安倍政権による恣意的な検事総長人事は、1000万近くのハッシュタグに膨れ上がったツイッター・デモと、賭け麻雀がバレた黒川検事長の辞任により、幕を閉じた。

 

安倍内閣によるこの身勝手な人事、モリカケ桜‥と続きに続いた不正に対する司法の追求を避ける目的であったと見るのが自然だ。つまり、自分の子飼いの検察官をトップに据えることで、逮捕・起訴から逃れようとしていたということである。

しかも安倍内閣、COVID-19(新型コロナ)の蔓延に社会が恐怖する最中、この人事権を強行しようした。

 

安倍晋三は「国民なんぞ何も出来やしない」とでも思っていたのだろうか。しかし多くの国民はバカではなかった。

多数の芸能人による発言の助けもあり、「内閣による恣意的な人事に反対!」というツイッター・デモが巻き起こる中、文春砲が黒川の不祥事(いや厳密には犯罪であるが)をスッパ抜いたことで、安倍内閣の目論見は灰燼に帰した。

 

その後、安倍晋三は、この企みが失敗したことについて、「コロナ禍」を理由に、この人事を見合わせたと説明した。

つまり、「世間がコロナで大騒ぎする最中、この人事を進めることは適切ではなかった」と、まるで国民に寄り添うような態度まで見せる始末。

そして罪深きメディアは、これに疑問を呈することなく、提灯記事や報道を垂れ流した。

 

しかしよく考えてみよう。

 

コロナ禍の中、国民が抱くコロナへの恐怖の影に隠れて、身勝手な人事を強行しようとしたのは、まさに「火事場泥棒」と呼べる行為である。

ところが安倍晋三は、コロナ禍を理由に、この人事を見送ったのだという。

 

コロナのドサクサを利用した火事場泥棒に失敗したのは、コロナ禍のせいだと言っているわけである。

 

つまり安倍晋三は、

 

『火事場泥棒に失敗したのは、火事のせいだ!』

 

と言っていたわけだ。

狂っている。。

 

 

私はこの事に気付き、そのままの言葉をもってツイッターに投稿したのだが、反応は少なかった。

 

それもまた不思議なことだ。

 

 

最後に、安倍内閣による不当な黒川人事を防いでくれた、1000万近くの反対ハッシュタグ、そして文春の編集や記者の方々に、心から感謝を述べたい。