母は、高齢で重病だ。
こういう老人を抱えると、安否確認に悩むようになる。
電話をしても出ない時、単にトイレや風呂に入っているだけかもしれないが、ちょっと散歩に出たつもりが事故に遭ってしまったり、急変して倒れてしまっているかもしれない。
近場に居られる時なら母宅に駆け込んでみれば良いが、遠くにいればそれもできない。
こういう事に数年前から悩んでおり、民間における様々なサービスを調べてみた。
ところが、老人ホームに入所でもさせない限り、これがなかなか難しい。
大手では、警備系のセコムや医療系のフィリップスという企業が、老人や病人のためのかけつけサービスを行っているが、これが結構高い(金がかかる)。
契約時に何らかの器機(非常時に発信するための)を購入あるいはレンタルし、これに金がかかる他、月々の契約料金もバカにならなかったりする。
いや、金は仕方ない。
それで老人が救われるなら、金は出そう。
ところが、である。
セコムもフィリップスも、異常を感知してから現場に行くまでに時間がかかる。
時間がかかる上に、結局は病院に通報するなど、誰にでも出来る措置した出来ないときた。
そこで私は考えた。
国内には、介護保険適用などの事業は沢山あるが、活かし切れていない。
もちろん、心あるケアマネージャーはじめ業者も多く存在するが、それ以上に、保険を食い物にする業者で溢れている。
例えば、たかだか「手すり」が、数万円で販売されている。
作り自体は、原価1000〜2000円程度と見受けられ、販売価格としても5000円がいいところだ、と思われる商品が、平然と数万円で販売されている。
介護保険に加入していれば数千円で買えるようだが、これら業者は、事前に保険料を見込んで価格をつけているとしか思えない。
私は、建築関係の兄に、(不景気のため)食えない内装屋などがいるなら、介護事業に参入させたらどうか、、と提案したことがある。上記「手すり」など、5000円くらいでしか売れないが、それでも、介護保険適用、、とか関係なしに、誰でも5000円で買えれば、これは世のためだ。
介護保険に加入していない、あるいは出来ない老人も大勢いるはずだからだ。
その次にビジネスが繋がるよう、まずは社会貢献をする。これも立派な戦略だ。
(勤勉でない兄は、この話に全く興味がなかったようであるが)
さて、タイトルにある「宅急便」について。
私は考えた。
セコムもフィリップスも、緊急時対応の専門業者ではあるが、少し頼りない。
入り組んだ民家街において、発されたサインの場所をすぐに把握できるのかどうか。。
私は母のために救急車を何度か呼んだことがあるが、必ず道に迷っていた。
待っている方としては、ヒヤヒヤである。
一軒家ならまだしも、集合住宅など、、どの部屋に誰が住んでいるのか、全く把握できていなければ、到着までに、病人は死んでしまうかもしれない。
すると、一体誰がひしめきあった民家街を把握できているのだろうか。。
宅配便だ!
宅配便の彼らは、どんな狭い道でも(担当箇所なら)知っている。
そして、いつもあちこち走り回っている。
重いものを運ぶのもうまい。体力あるし、気立ても良い。
クロネコヤマトは、アマゾンの下請けをはじめたため、随分と苦労しているようだ。
社員の皆さんも随分とご苦労なさっている模様である。
国は、こういう会社に予算を下ろし、新規事業を開拓させるべきだ。
宅配便企業だって、国から予算が降りれば、スタッフ教育から業務内容の見直しまで、きっと真剣に取り組むであろう。
緊急対応専門の企業よりも、町の隅々まで把握している宅配便のような企業。
今や、こういう企業に老人・病人対策をとってもらった方が、結果、スケールメリットに繋がるものと考えられる。