4月19日、日曜日。
U-18クラブユース選手権第2戦。
このメンバーでは、初めてであろうタフな内容での勝利。
その帰り道。
本厚木駅から会場まで、バスでの移動なのですが、そのバスの本数は1時間に1本☆
つまり、帰り道、本厚木駅へ向かうバスも1時間に1本なのです。
試合後、本当に短いミーティングを終え、大急ぎでバス停へ。
バスに乗り込むと、わたしよりも大急ぎでバスへ向かったINACのメンバーたちが乗っていたのですが、一様に笑顔笑顔。
この日の試合の様子を、あれこれと話し込んでいるようです。
タフな試合を、最後の最後まで貪欲にプレーして、勝利を掴んだ充実感を感じることが出来るバスの中。
出発まであと少し。
外を見ると、対戦相手のメンバーたちがバスへ向かってきました。
彼らも同じようなルートでこの会場へ来たのです。
そのメンバーたちが、バスへ乗った瞬間、INACのメンバーは、話題をJリーグに移していました。
「(INACのメンバーも)ちゃんと相手の悔しさとか理解しているんだな」とわたしは心の中で思いました。
さて、バスは山の中をゆっくりと、本厚木へと向かいます。
わたしの座っている座席の前に、対戦相手のメンバーのひとりが立っていたのですが、気付くとその彼はバスの中でずーっと涙を流していました。
声には出してませんが、号泣です。
「大丈夫? 座るかい?」
「いや、大丈夫です」
そんなやりとりをしていたら、対戦相手の若いコーチがその選手に寄って来ました。
「(その選手は)純粋で良いですね」、とわたし。
「すいません。相当悔しいみたいで。でも、すごく純粋で良い奴なんですよ」、と若手コーチ。
バスは山を越え、どんどんと進みます。
わたしはこんなことを思っていました。
この試合、どっちが勝っても負けてもおかしくない内容だった。
つまり、小さなディテール次第で、帰りのバスの風景は全く逆になっていたかもしれない、と。
INACのメンバーが疲労感だけ残して、誰かがずーっと悔し泣きをしていて。
対戦相手が笑顔笑顔で。
その可能性もあったのです。
つまり、号泣の彼は相手であり、味方の誰かであったかもしれないのですね。
何でそう思ったか。
一年前、初参戦のこの大会。
試合毎に必ず誰かが悔し泣きをしていたなぁ、と。
あれから一年。
バスは街には入り、本厚木駅へと向かいます。