

「ブレーキ」
“行く”より、
“逝く”だな。
天衣無縫(てんいむほう):
無邪気な人柄で、飾り気やわざとらしさがない人のこと。また、詩や文章にわざとらしい技巧がなく、自然で美しく、完璧なこと。天女の衣服には、縫い目など技巧を加えた跡がないという伝説から。
注:
たまたま玄関先を出た時に、ご近所さんにバッタリ出くわすことはあるものだ。曇天の外出に、傘を持っていくか迷っていたところ、自転車を押しながら、奥の家から高齢のオジサマがやってきた。「○○スーパーまで行ってくる」と言いながら、それとは逆方向へ進むので、「坂を下ったほうが近いですよね?」と訊いてみた。すると「この前、自転車で下ってたら、ブレーキ効かなくなって、そのまま“行って”しまうかと思った」と苦笑い。“危うく車道に突っ込みかけた”ということなのだろうけれど、“車道に行く”なのか、“天国に行く”なのか、微妙なニュアンスの語り口調に、こちらも釣られて苦笑い。“逝く”はネット用語だと思っていたが、意外に古典的な表現かも?高齢者に使われると印象が違うもんだね、…という、思わぬ日本語の奥深さ。