鬼滅の刃柱稽古編2話の感想です。
前回、柱合会議で義勇さんがイラついていると感じた私ですが、実はほかの柱に対してかなり引け目を感じていたのだと、今回分かりました。
「引け目」じゃないな、もっと深刻で、自分はここにいてはいけない人間なのだと思っていたよう。
「お前たちとは違う」発言も、中二病的な自信過剰ではなく、むしろ真逆でした。
鬼殺隊士になる人って、鬼によって人生大きく変えられちゃった人が多いけど、義勇さんも炭治郎と同じく肉親を鬼に殺された人だった。
それだけでなく、義勇さんの心を大きく傷つけたのは、「立志編」にも登場した錆兎の死。
笑えるところも多かったけれで、義勇さんがどうしてあんなキャラになったのか、よくわかる回でした。
鎹烏を通じて産屋敷の考えを知った珠世さん。
提案に乗り、鬼殺隊の本拠である産屋敷邸に行くことを決めます。
「珠世さま~。」
と、階段転げ落ちながら必死で駆けつける愈史郎がカワイイ。(笑)
お館様から炭治郎にあてた手紙の内容は、予想通り「柱稽古に参加するように説得してくれ」的な内容。
直接的な言い方ではなく、「どうしても一人で後ろ向いてしまう義勇が、前を向けるよう、根気強く話をしてやってくれないか」と、炭治郎にお願いする形。
お館様って、じっくり話を聞いて導いてくれる「カウンセラータイプ」の上司ですよね。
柱一人一人が抱える悩みや家庭の事情なんかも、よくよく話を聞いて、間違ってないよ、それでいいんだよ、そのままでいいんだよ、と肯定してくれる。
どうやら喜勇さんは、すぐに後ろ向きな発言や行動をとってしまうタイプのよう。
けして彼を傷つけないように、柱として前を向いていけるよう助言してあげていたんだね。
寡黙な義勇さんと会話するのは、そうとう時間を要しただろう。
寝たきりになってしまったお館様には、とても無理なこと。
その点、すぐにへこたれたり、短気を起こさない炭治郎は適任かもしれないが…天然だぞ。
地雷踏みませんように。
義勇さん説得の前に炭治郎は、蝶屋敷のアオイさんに相談。
「独りぼっちの人に、一人ではないのだとどう伝えれば理解してもらえるか」
なかなか、難しい質問では?
アオイさん曰く「私なら、そっとしておいて欲しい」
グイグイ行くなという事らしい。
炭治郎には、かなり難しそう。
とはいえ、おにぎりを差し入れに持たせてくれるあたり、アオイさんらしい気遣い。
炭治郎、水柱の屋敷へ。
柱って、それぞれ屋敷を与えてもらっているのね。
しのぶさんの家も、煉獄さんの家も立派だったけど、義勇さんちは構えは立派だが、人気がない。
根暗な人間が一人でこもっていたら、ますます暗くなるぞ。
炭治郎。その、天然パワーで冨岡邸を明るく照らしてやるんだ!!
アオイさんの助言がどこまで通じたのか、門前で大声で呼びかける炭治郎。(笑)
義勇さん、居留守を決め込みます。
「それじゃあ、入りますね」
きっと、「帰りますね」を聞き間違えたと思い込みますが。
そうは問屋が、いや、炭治郎が下ろさない。
こういう強引なところが、ジャンプヒーロー。
炭治郎、義勇さんと向かい合わせで座る距離が、めっちゃ近い!
なんか怒っているように感じるという炭治郎に、「水の呼吸を極めなかったことに怒っている」と答える義勇さん。
炭治郎は、水柱にならなくてはいけなかったんだと、持論を展開。
「水柱不在」発言に、私も困惑。
水柱は義勇さんじゃん。
「俺は、水柱じゃない」
もうワケわからん。
取り付く島もない義勇さんに、それでも食らいつく炭治郎。
おにぎりを差し入れて帰ったのかと思いきや、部屋の前で夜明かし。
そこから始まる「義勇さん」攻撃。(笑)
無視する義勇さんの後ろにくっついて、ひたすら話しかける。
粘り強い(しつこい)なあ。
もう、王道の「めげない主人公」。
ポーカーフェイスの義勇さんもさすがに、「一生続くのだろうか」と根を上げます。
ジャンプヒーローのしつこさを舐めちゃいかん。
ついに義勇さんは、自分の過去と、なぜ水柱でないと言ったのかを明かします。
錆兎と義勇さんて、同期生だったのね。
修業時代の義勇さん、錆兎と一緒によく笑ってる。
笑顔が可愛い。
最終選別で亡くなったのは、錆兎のみ。
それは、彼がほかの受験者全員を守って一人で鬼を倒し、最後の手鬼の前に力尽きたという、壮絶な事実があったから。
それにしても、錆兎はめちゃくちゃ強くて正義感のある人間だったんだ。
義勇さん、最初の鬼に手負いにされて、早くも戦線離脱してしまったそう。
気が付いた時には一週間たっていて、結果、最終選抜を合格。
これは、かなりキツイ過去だわ。
何もしていないのに、生き延びたから合格。
ただだ生かされただけの自分が、鬼殺隊士の頂点である柱だなんて、とても言えない。
そもそも、鬼殺隊に居場所などない。という義勇さんの気持ちは、痛いほどわかる。
「ほかの柱とは違う」というのは、こういう意味があったのね。
でも「柱」となるまでに、かなりの修練を積んできたはず。
その努力が認められたからの「柱」なのだから、堂々としていいのでは?
「俺にかまうな、時間の無駄だ」と去っていく義勇さんに、声を失う炭治郎。
義勇の心のうちを理解し、それでも生きていかなくてはいけないのだと伝えなくてはいけない。
でも、自分がとやかく言える立場でもない。
ただ1つだけ、確認したいことがある。
「義勇さんは、錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」
この言葉に、頬を打たれた痛みを思い出す義勇。
それは、錆兎にも言われたこと。
義勇さんが鬼殺隊士を志すきっかけとなった事件。
結婚前夜、彼を鬼の目から隠し守って、亡くなった姉。
幸せな未来があったはず。
「自分が死ねばよかった」という義勇に、怒りを込めて錆兎が放った言葉。
「姉が命を懸けてつないでくれた命を、託された未来を、お前が繋いでいくんだ」
錆兎を失った辛さで、彼に叱咤されたとても大事なことを、記憶の奥にしまい込んでしまっていた義勇さん。
よもや、こんな形で思い出すことになるなんて。
生かされた者は、生かしてくれた者の命を未来を繋いでいかなくてはならない。
どんなにみっともなくて、辛くても、生きていかなくてはいけない。
炭治郎が伝えたかったことに、気が付いた義勇さん。
しかし、その言葉をかけた途端微動だにしなくなった彼に、炭治郎はオロオロ。
落ち込んでいるところに、追い打ちをかけたかと、リカバリーする方法を模索します。
なんで、「早食い競争」なの!?
その思考回路、よくわからない。
気持ちを入れ替え、柱稽古に参加する気になった義勇さんも、目が点。
この、部妙なくいちがいが面白い。
さて、兄弟弟子同士がうまくいったところで、今度は師弟同士の会話。
仏壇を前に、「感情の制御ができないのは未熟者」と自分に言い聞かせるしのぶさん。
顔は笑っているのに、ピキッとなっちゃう。
きっと、「鬼との共同研究」のせいね。
そんな折、カナヲが柱稽古に出るあいさつに来ます。
師範にもっと稽古をつけてほしいと、頬を赤らめて言う姿がカワイイ。
それを、よい傾向だと褒めるしのぶさん。
そんな彼女が語ろうとするのは、姉を殺した鬼とその倒し方。
なかなかディープな内容じゃないか、というところで次回に続く。
この締め方がうまいのよね。
この傷は深すぎる。