最近見た映画というネタがあったので…
以前、見たいと思っていたものの劇場まで足を運ぶ機会がなく見損ねていた作品。
やっと、アマプラで観ました。
主人公の現在と過去を、最近ドラマにカムバックした福山雅治さんと神木隆之介さんが演じているというのが、見たかった理由の1つで、監督が岩井俊二さんというところも外せない作品。
あらすじ
裕里の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎と再会することに。勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎と未咲、そして裕里の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく───
松たか子演じる裕里の夫役が、なんと庵野秀明監督だった。
前半で一番驚いたのは、このキャスティング。
旦那さんは妖怪が出てくるようなホラー系の漫画家という設定。
同窓会で、裕里は亡くなった姉と間違われ、初恋の人と帰りのバス停で連絡先を交換してしまう。
相手は「今でもあなたに恋している」という、意味深なショートメールを送って来ていて、それを見たダンナがびっくりして、飲んでいた牛乳を吹き出すというシーンが。
この演出は岩井監督?それとも庵野監督?
このダンナ、嫉妬深くって、怒ってスマホをお風呂に放り込んで破壊したうえ「スマホ禁止令」を発動。
これがきっかけで裕里と鏡史郎の文通が始まる訳なので、ある意味グッジョブ。
それでも収まらなかったようで、母親の同窓会に絡めてネチネチ行っ押し付けたりてきたり、大型犬をいきなり2頭も買ってきて、その世話を押し付けたり…
なかなかの小物ぶりを発揮してくれます。
これが、もし他のイケメン俳優がやっていたら、ファンから苦情きそうだけど、キャストが庵野さんなら、このくらいやりそうと思えるから、ベストな配役ですね。
お芝居、そこそこ上手かったですよ。
高校時代の甘酸っぱい初恋の思い出というのが、鏡史郎と裕里・未咲姉妹の微妙な三角関係でした。
美人で頭がよくって人気者の姉を持つ、地味な妹の切ない片思いがいじらしかった。
福山雅治さん演じる鏡史郎は、売れない小説家。
以前、未咲をモデルにした小説が賞を取ったものの、その先は全く書けずにいます。
内気で寡黙な青年だけど、1人の女性への愛はいつまでも心の奥で埋火のように燃えている。
ガリレオとか、ラストマンとはまた違って、静かな演技なのでオーラ感じないけれど、穏やかな福山さんもステキです。
彼の高校時代を演じたのが、神木隆之介さん。
しゃべり口調が福山さんなの。
決して口まねじゃなく、しゃべり方のトーンとかテンポ、仕草や雰囲気が福山雅治。
さすが、ベテラン俳優。
ちょっとだけ神木隆之介が顔を出すのは、ご愛敬ですね。
1人の女性の死から始まった、「思い出」とするにはあまりにも未消化な初恋を、成仏させるための1か月間の物語。
最後は誰もがすっきりとした顔で、前に向かっていけているところが嬉しくて、見て良かったなあと思える作品でした。
「手紙」と「初恋」にまつわるエピソードがいくつも出てて来るので、そういう場面でも思わずにやけちゃうところが、また良きです。