「うる星やつら」2022 5回目の感想です。
今回は「愛と闘魂のグローブ」「君、待てども……」の2本。
あたるとラムちゃんのビミョーな関係が浮き彫りとなる2本です。
愛と闘魂のグローブ
ある朝、友引高校の校門前でこたつネコと一緒に七輪で魚を焼いているチェリーの姿が。
付き添いで来ていて、その待ち時間で朝食を作っているんだとか。
何のこっちゃと首をかしげるあたるに、新任の保健の先生が赴任してきたという情報が。
しかも、とびきりの美人ときたもんだ。
あたるは、チェリーのことなんか放って、保健室にダッシュ。
勢い良く保健室のドアを開けると、そこは男子生徒だらけ。
しかも、面堂が保健のセンセーの手を取ってプロポーズしている最中。
クラマ姫に感化されたか。
それとも、この当時はプロポーズしてから交際が主流だったのか。
ずいぶん前のことでよく覚えてないなー。
男子生徒に取り囲まれていたのは、チェリーの姪で巫女のサクラさん。
養護教員の免許も持ってたんだね。
あたるも含め、結婚を申し込む男子生徒をたたき出し、ここもナンパ学生の巣窟かと嘆く彼女。
美人の宿命ですな。
そこへ、巫女の彼女を頼って、いわくありげなグローブを持ったボクシング部顧問が。
しかし、どら猫と乱入してきたチェリーが、保健室内で大暴れ。
1人と一匹を窓から放り出した時には、グローブの片割れが行方不明に。
チェリーたちと一緒に放り出されたグローブは、街の空を散歩中のラムちゃんの手の中へ。
使い方を聞くために、あたるの元へ行ったために、友引高校はまた新たな騒動に巻き込まれます。
使い方を教えるために、グローブをはめたあたるは、手当たり次第に女生徒を抱き寄せはじめたのです。
当然、ラムちゃんの電撃炸裂。
しかし、あたるはグローブが勝手にやっているのだと。
その証拠に、女子だけでなく面堂も抱き寄せ、背中をスリスリ。
うん。絶対にあたるの意思じゃない。
全員が納得したところで、巫女姿のサクラ先生が、ボクシング部を引き連れ登場。
このグローブは、右手は対戦相手とスキンシップを求め、左手は完膚なきまでに叩きのめす「愛と闘魂のグローブ」だったのです。
とても強すぎて友達ができなかったボクサーの念が、乗り移っているのだとか。
その実験台にされたのは温泉マーク。
両手にグローブをはめた(顧問に左手もはめさせられた)あたるの、右手クリンチからの左ストレートで、教室の外へ吹き飛ばされます。
この作品で、彼はこういう役割なんです。
面倒なグローブだっちゃと、うかつにあたるの隣にやって来たラムちゃん。
ダーリンの抱きしめられたと喜ぶ彼女の顔面に、左拳が!
…と思ったら、グローブはあたるの顔面にめり込んでました。
そのまま床に倒れ倒れるあたるに、ラムちゃんは「うちをかばってくれた」と感動。
それに対し、女は殴らない主義だと言うあたる。
何気にカッコイイ。
クラス全員も感心。
しかしこれで終わらないのが「うる星やつら」。
あの感動をまた感じたいと、ラムちゃんは何度もあたるに接近します。
その度に顔面を殴られる、あたる。
なんともカオスな状況に。
それを見ていたサクラさんが閃き、教室内にリングが設置。
リングの中にいるのはあたるとラムちゃん。
サクラさんは、これもお祓いの一種と、2人でしばらく好きにしていろと言います。
その言葉通り、あたるにわざと近づき、殴られないことを確認しじーんとくるラムちゃん。
そのたびに、自分で自分を殴るあたる。
それは、あまりにも残酷な光景。
幸せなのはラムちゃんだけ。
あたるはついにダウン。
それと同時にグローブについていた念も成仏しました。
かなりハードなお祓いだね。
あたるは散々な目にあったけれど、どさくさに紛れてサクラさんの膝にスリスリ。
彼女にとどめを刺されて、終了となりました。
めでたしめでたし。
君、待てども…
あたるとラムちゃんにおちょくられている面堂ですが、クラスでは女子の人気者。
今日も今日とて、女の子が次々と彼にラブレターを渡していきます。
その中には男子生徒の憧れの的、ヒトミちゃんまで。
その様子に驚きを隠せない男子3人組。 (コースケ・カクガリ・北斗)
そして、 宇宙からやって来た美少女にベタベタまとわりつかれているあたる。
モテモテをひけらかす面堂を何とかギャフンと言わせたいと 、3人はあたるを利用することに。
偽ラブレターをあたるに渡せば、舞い上がって面堂に見せびらかし、彼のプライドを傷つけてくれるだろうという算段。
しかし、事態は思わぬ展開に。
クラス委員長と1万円をかけての対決になるのです。
架空のラブレターの主「組のおと子」をでっちあげた3人は、あたるを勝たすために、他校の女生徒に替え玉を依頼します。
しかし、彼女は前渡ししたバイト代3,000円で爆食いした挙句、お腹を壊してしまい、待ち合わせの喫茶店に行けなくなってしまうのでした。
それにしても、3,000円でおなか壊すほど食べられるとは…
当時の物価がよく分かりますね。
あたるが要求した1万円も、高校2年生には相当な大金のようですし。
さすがに替え玉の替え玉も用意することができず、あたるは来るはずもないラブレターの主を待ち続けます。
うそラブレターで、デートの相手も1時間だけのアルバイトという事情を知ったラムちゃんですが、ラブレターに舞い上がり、 全く相手にされなかったことから、助けてやろうという気にはなりません。
それでもやっぱり、あたるのことが好きだと再認識するです。
どうしてあんな男が好きになっちゃったんだろうね。
このシーのラムちゃん可愛かったなー。
待ち合わせの時間を1時間経過。
面堂が15分だけ待ってやると最後通牒。
が、その15分も過ぎ、全員が落胆したその時、ついに喫茶店のドアが!
現れたのは、髪を染め、アップにセットして角を隠したラムちゃん。
「○○だっちゃ」の口癖も封印して、組野おと子になり切ります。
白のロングスカートに、白のセーターを肩からはおり、カラフルなブラウスが良く似合う。
全員が唖然とする中、おと子の正体に気が付いたあたるに、恥をかきたくなかったら芝居を続けろと諭します。
唖然と見守るクラス男子の目の前で抱き合い、 ふたりは堂々と店を脱出するのでした。
結局、ラムちゃんに借りを作ってしまった事を悔しがるあたるですが、隣を歩く彼女の横顔に、こんなに可愛かったのかとドッキリ。
先に帰るという彼女の手を掴んで引き留めます。
「もうちょっと一緒に歩こうよ」
前を歩くカップルと同じように、手をつないで歩く2人。
夕陽に照らされたシルエットに、ぼのとするエンディングでした。
さて、次回はラムちゃんのライバル,
弁天の登場回!
楽しみですね。