この「負けるな」には、戦いに負けるな、己に負けるな、誘惑に負けるな、欲に負けるな など、様々な意味が込められていると考えられる。

武士として戦に負けるということは、他国に領地を奪われるだけでなく、自分の領土で生活する民の生活の保障までも奪われるという危険性が含まれている。
それこそ領主として最大の敗北と言えるだろう。

さらに武士にとって守るべき者を守れないという状況は、もっとも不名誉なことである。
おそらく戦に負けた武士たちは「生き恥を晒すよりは…」と切腹をしていたに違いない。

誰かの生活の保障を支える存在というものは、それだけ大きな責任を抱えている。
よって、武士として生まれたからには幼いころから「負けるな」と叩き込まれるのは当然のことだろう。

戦争のない時代に生まれた私たちにとっては戦う相手を見出すことは難しいかもしれないが、今は世界中で経済戦争が繰り広げられていると考えるべきではないだろうか。
日本の国力が低下しつつある今、他国からの外交という手段でお金を武器に日本の資源が脅かされるのではないかと危機感を感じている。
現に、水資源を押さえようと中国人の土地購入問題については既にメディアでも報道されている。

私たちは負けてはならない相手と守らなければならない者を理解し、強さの意味を知るべきではないだろうか?