❤️いらせらせませ❤️
今回は、本のお話
好きか嫌いかって定義で言えば、恐らく「好き」なんだろうと思われる本。
「2人のイーダ」 松谷みよ子作
松谷みよ子さんと言えば他にも代表作は多々あって「龍の子太郎」とか「いないいないばあ」とか……でも私は断然、これ。
ただ、これを「何で?」と聞かれると非常に困る。
何だろう、非常に困る。
小さな兄妹のひと夏の体験と、その横で紡がれる戦争と原爆。
ん〜……自分、子供の頃あんまり戦争モノとかオカルトとかスプラッタものの血みどろ怖系、あんまり好きではなかったんですね。「はだしのゲン」も「アンネの日記」も意識的に敬遠してました。
……なのに(その上なのか?)ちょい横ズレですが、うちの田舎には映画館がなくて映画を観た経験は殆どありませんでした(学校の講堂での記憶が僅かに…後、町の文化会館に「東映漫画祭り」みたいのが来てたが親があまりいい顔しなかった(。-∀-))。
そんな私が初めて映画館で観た映画は「ひめゆりの塔」←なしてやーッッ⁈
記憶、曖昧なため確認してみたら、多分82年度版@栗原小巻。
なしてやーッッ⁈(答 当時中学生の姉が読書感想文か何かを書くためにその一助として観に行ったのに付き合わされた。…父と姉と私と、3人横並びで観た記憶有り(笑;))
多分、似たような頃に「2人のイーダ」も読んでる。で、これは恐らくだけども(当時の自分の内面理解なんて、難しい…)戦争の肉薄した様相よりも「2人の…」の戦後生まれ戦後育ちの兄妹の姿のほうが、すごく、凄く心に落ちたのだ……感情移入出来たと言うべきか?
69年の作品だから、少し鮮度はずれていたかも知れないが十分だった。
現代っ子には忘れられて久しいのかも知れないが、当時は戦争や平和をテーマにした作品は今よりも沢山(所謂履いて捨てる程)あったのだ。そんな中でこれは、血みどろもスプラッタも、ゾクゾクする恐怖も怨嗟もない。なんだか平常心のまま読めて、パタンと閉じる。フゥ……と、一息ついていい色の心になって、本棚に返す。
そのまま忘れたつもりが、時々何の脈絡もなくぶあァッ……ッ…‼︎‼︎っと蘇ってくる。
そんな、物語。
蘇ってくるのも全然苦じゃない。
今時の子が戦争を語ったりイメージしたりする時に蘇るものって何だろう?
「火垂るの墓」だろうか?「永遠の0」だろうか?
でも、これは彼らにとって物語でしかないよね。
だから「2人のイーダ」を想う時、これは実感だなぁ…って思う。
私世代は恐らく最後の戦後世代なんじゃないだろうか?
私の父は兄達にひっついて足繁く太刀洗飛行場に足を運んだという。
母は、満州生まれだということを中学のとき戸籍謄本とって知った。
そんな、世代。
だから「2人のイーダ」はそんな世代に、この兄妹は自分達なんだと実感出来る。この戦争は自分達の身につながる戦争であり、平和であるんだって考える事が出来る。
今の子達は物語れても実話にはならない。
平和を語りながら、それを実感できない。
矛盾するよね。
今の子に実感する平和とか戦争とかってどんな語りなんだろう?
難しいね。
と、ちょっと「ぶあァッ……ッ…‼︎‼︎」と蘇ってきて「好き」って括りで喋ってみたかっただけだったに(笑笑)随分横道それました。
「2人のイーダ」
うん。好きです。
有名な児童文学だし、興味を持った方は読んで欲しくもあるので敢えてアラスジ等は書きません。
そんな、昼下がりの独り言です。
余談ですが昔「月光の夏」という特攻隊の映画がありまして、その撮影に自分の出身校が使われていて、友人と盛り上がった。
隙間風だらけの古いキィキィいう校舎が尊く思えた。…………フフフッ…