ロシア・モスクワに建設するホールを核としたTOD(公共交通指向型開発)の国際指名設計コンペで、日建設計の案が最優秀に選ばれた。
中央に見える緩く弧を描いた建物が「ズベルバンク・シティー」。手前にモスクワ川が流れる。間口最大30mの細長い敷地となっている(資料:日建設計)
この設計コンペはロシア最大手の銀行、ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)が主催。
2019年8月20日に行われたプレゼンテーションには日建設計のほか、ザハ・ハディド・アーキテクツ(英国)やコープ・ヒンメルブラウ(オーストリア)、アルケア・アッソチャーティ(イタリア)の計4者が参加し、日建設計が当選した。
長手方向の断面パース。大きい室内空間を実現するため、ホールを空中に浮かした。8階から11階までがホール。その下は吹き抜け空間。吹き抜けを挟んで左手は従業員のためのスペース、右手はビジターセンターなど公共のエリア(資料:日建設計)
南側から見る。隣接する中層2棟、高層2棟の建物は既存。ズベルバンク・シティーは、全体をまとめるようにシンプルなダブルスキンのファサードにした(資料:日建設計)
1500人収容のホール。複数層のカーテンで光を調整できる。席はすべて機械式収納型で、バンケットなどにも使える(資料:日建設計)
ホールを空中に浮かした結果、生まれた吹き抜け空間。左手は既存建物。右手に見えるのは、地下鉄と直接つながるTrasport Hub(交通結束点)。建物と建物の間の隙間を室内化し、冬でも快適に使えるアーケード空間とした(資料:日建設計)
ホール下の吹き抜け空間にグリーンテラスを設けた。光ファイバーの天井をつくり、寒いモスクワで年中使える、緑と光にあふれた空間とした(資料:日建設計)
屋上展望台。モスクワの街を一望できる雄大な眺望が特徴だ。中央に見えるのが「MOSCOW CITY」(資料:日建設計)
<コンペ概要>
名称:INTERNATIONAL COMPETITION FOR SBERBANK BUSINESS COMPLEX TERRITORY AND PUBLIC CULTURAL CENTER ARCHITECTURAL CONCEPT
主催者:Sberbank(Competition Organizer RTDA)
コンペ形式:指名コンペ
コンペ参加者:Archea Associati、Coop Himmelb(l)au、Nikken Sekkei、Zaha Hadid Architects
最優秀者:日建設計
コンペ公表日:2019年4月
審査日:2019年8月20日
<施設概要>
名称:Sberbank City
建設地:Kutuzovskiy Avenue and Kulneva Street intersection, Moscow, Russia
用途:オフィス、銀行、多目的ホール、美術館、ビジターセンター、医療センター、スポーツ施設、従業員用食堂
敷地面積: 約4万m2
延べ面積: 6万2000m2(地上)
構造・階数:鉄骨造、地上17階
完成目標:2022年
ザハ事務所を抑えて当選!
日建設計やるねー
吹き抜け空間美しい!!
出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00358/091500056/