三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア(東京・神宮外苑、362室)

 

 

 スポーツ施設や文化施設などが集積する東京・神宮外苑地区。緑豊かなこのエリアの一角で、全周・全室にバルコニーを設けたホテルの建設が進んでいる。

五輪後に、スポーツ・文化関連の様々なアクティビティーやにぎわいを生むための拠点の1つとなることを目指す。

 

北側上空から東京・神宮外苑地区を見る。同地区に関しては、東京都が2018年11月に策定した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」で、公園まちづくり制度を活用した整備の方向性が示されている。「高揚感のあるスポーツとアクティビティの拠点」「歴史ある個性をいかした多様なみどりと交流の拠点」「地域特性をいかした魅力的な文化とにぎわいの拠点」が地区の将来像として描かれている(写真:川澄・小林研二写真事務所)

 

 

2019年11月22日の開業に向け、建設が進む「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」の外観。最上階には、宿泊客が利用できる屋上テラスを設ける。通りを挟んだ南側に新国立競技場の建設現場がある(写真:日建設計)

 

 

 2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の北側に位置し、11月22日に開業を控える「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」。

 

歴史的・文化的に貴重な絵画を展示する聖徳記念絵画館やイチョウ並木、新宿御苑とも近接する。

 

 施設の売りは、全室に備わるバルコニーだ。開口部が大きく、スポーツ観戦特有の熱気や、都心では珍しい自然環境といった神宮外苑の個性を、ホテルに居ながら体感できる。

 

エリア一帯を“庭”のようにした、周辺の観光や散策の拠点にもなる。

 

 事業主体である三井不動産ホテル・リゾート本部の石井孝佳・ホテル事業部事業グループ統括は、「今回のホテルは、三井ガーデンホテルズの最上位グレードに位置付けている。メインターゲットはインバウンドのレジャー客だ」と言う。

 

 同社が明治神宮の所有する土地を賃借し、建物を所有、開発する。

 

基本設計・デザイン監修を日建設計が、基本・実施設計、施工を清水建設がそれぞれ手掛ける。運営は三井不動産ホテルマネジメントが担う。

 

 建物は地上13階建てで、最高高さは約48m。全周の全362室にバルコニーを設けている。

 

付近には、ホテル内からの視界を遮る建物がほとんどない。この眺望をゲスト一人ひとりがバルコニー越しに独占できる。

 

 

外観と眺望のイメージ。間口約3m、奥行き約1.5mのバルコニーが連続する。立地を生かし、全周の全室にバルコニーを設けている(資料:三井不動産)

 

 

プレミアツインの客室の内装イメージ。面積は約38m2(資料:三井不動産)

 

 

バルコニーの並ぶ外観(写真:安川 千秋)

 

 

最上階のジュニアスイートの客室の内装イメージ。面積は約50㎡2。客室の内装は、木質を基調とする(資料:三井不動産)

 

 

外殻からコアまでロングスパンの梁を飛ばし、凹凸のない整形な客室を実現。標準の客室面積は25m2前後。天井高さは2.6m。「大開口から広がる景色を含め、面積以上の広さを体感してもらえるはずだ」と、三井不動産の石井氏は語る(資料:清水建設)

 

 

バルコニー先端部では、GRC(ガラス繊維補強セメント)製のマリオンとプレキャストコンクリートのスラブがクロスする。その色調を、聖徳記念絵画館の外壁に合わせている(写真:安川 千秋)

 

 

3次元CGを用いたデザイン検討の説明図(資料:清水建設)

 

 

1階レストランのテラス席の完成イメージ。ホテル足元の東側には周囲の緑と連続する庭を整備する。レストランのテラス側には、高さ約4m×幅約35mの大開口を設ける。テラス席の他、窓越しにも豊かな緑が望める(資料:三井不動産)

 

 

1階・配置平面図(資料:清水建設)

 

 

1階ロビーの内装イメージ(資料:三井不動産)

 

 

2階大浴場の内装イメージ。インバウンドの中期滞在などを想定し、日本文化が体験できる大浴場の他、フィットネスジムも備えた。リフレッシュを目的とした滞在など、ゆったりとした時間の提供を目指す(資料:三井不動産)

 

 

JRの線路および首都高速道路越しに東側から見た全景(写真:安川 千秋)

 

 

 

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JRの線路および首都高速道路越しに東側から見た全景(写真:安川 千秋)

 

 

 

「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」建築・ホテル概要

  • 所在地:東京都新宿区霞ケ丘町5-1の一部
  • 地域・地区:第二種中高層住居専用地域、神宮外苑地区地区計画(A-6-b地区)、第二種風致地区、第一種文教地区、都市計画公園
  • 用途:ホテル
  • 前面道路:南22m
  • 駐車台数:50台
  • 建蔽率:39.96%(許容40%)
  • 容積率:338.02%(許容340%)
  • 敷地面積:4330m2
  • 建築面積:1730m2
  • 延べ面積:1万5856m2
  • 構造:鉄筋コンクリート造、鉄骨造
  • 階数:地上13階
  • 耐火性能:耐火建築物
  • 基礎・杭:杭基礎
  • 高さ:最高高さ48.48m、軒高47.88m、階高(客室階)3.4m、天井高(客室)2.6m
  • 主なスパン:6.4m×10.25m
  • 発注者:三井不動産
  • 設計者:日建設計(基本設計・デザイン監修)、清水建設(基本・実施設計)
  • 監理者:清水建設
  • 施工者:清水建設
  • 運営者:三井不動産ホテルマネジメント
  • 設計期間:2017年2月~18年3月
  • 施工期間:2018年3月~19年8月
  • 開業年月:2019年11月
  • 総客室数:362室
  • 客室面積:ツイン 26~24m2、ダブル 22m2、コーナーツイン 38~30m2、ジュニアスイート 46・50m2
  • 客室料金:未定(シリーズの平均は東京都内で2万5000円より)
  • 主な付帯施設:レストラン、ラウンジ、ルーフトッブテラス、フィットネス、大浴場
 
 
いい場所に建てたなぁ~
近隣に高層の建物がない!
素晴らしい眺め!!
是非体感したい!!!
フィットネスジムもあるって~