東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時に選手村となる「晴海5丁目西地区再開発」の建物群。

 

官民が協力し合い、成熟した都市にふさわしい「集合住宅街」を前例のない設計体制によって一斉につくる。

 

都内では稀有(けう)の規模の面開発を、道路、公園などと一体で整備するものだ。

 

 晴海5丁目西地区再開発の板状棟21棟、商業施設1棟が2017年1月に着工してから、約2年たつ。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時に、参加選手の宿泊施設――選手村として利用される建物群だ。18年10月には集合住宅街としての名称を「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」と決定している。

 

 大会後、各棟の改修およびタワー2棟の建設に移行し、前者が22年秋、後者が24年3月に竣工すると、分譲住宅4145戸、賃貸住宅1487戸、合計5632戸などから成る「街」が晴海ふ頭に誕生する。

 

東京都が再開発事業を施行し、施設を整備する特定建築者としてデベロッパー11社が参画する。

 

 

晴海ふ頭などを南側上空より見る。手前がHARUMI FLAGの建設地。2018年12月撮影(写真:ITイメージング)

 

 

HARUMI FLAGの外観完成予想CG(資料:三井不動産)

 

 

HARUMI FLAGの開発計画図(資料:三井不動産)

 

 

上は晴海ふ頭公園から見た外観完成予想CG。その下は、「デザインリレー」の概念図。一体感のある街並みを生み出すため、対となる街区同士や隣接する建物同士の外観デザインが、リレー方式によって影響し合うようにする。

あらかじめ規定するのではなく、各棟のデザイナーが色彩や付け柱、分節の仕方などの要素を隣棟から読み取り、自身の担う建物のデザインに反映させる(資料:三井不動産)

 

 

海際に計画されている緑道公園と4街区部分の完成予想CG(資料:三井不動産)

 

 

5街区に計画されているDOTS PLAZAの完成予想CG(資料:三井不動産)

 

 

上は全体像の完成予想CG。下は景観上のコンセプトの一つである「ダイナミックシンメトリー」を表したスカイライン図。

ふ頭の中央を高く、公園のある海際を低く、山なりのスカイラインを形成している。

ダイナミックシンメトリーに関しては、「法隆寺西寺院に見られる、シンメトリーでありながら崩しを含んだ構図」と説明している(資料:三井不動産)

 

 

車道と歩行空間、建物の敷地の一体的な整備の様子を表す区画道路5-3号線断面スケッチ。

メインの通りの植栽に関しては、街路樹以外に、2列目植栽、3列目植栽を配列している。

これらとレストスペースなどのインフラを組み合わせて一定間隔で「たまり場」を設け、「歩きたくなる街」をつくる(資料:三井不動産)

 

 

CENTERCORE部分の完成予想CG。5街区・6街区の2棟のタワーのエントランス、7街区の商業施設、小中学校の入り口に囲まれた広場となる。配置を45度傾けたタワー棟、くの字の棟など、街路やオープンスペースと建物の関係は、最初からランドスケープアーキテクトが関わる体制によって導き出された。

広場周辺の視界は、メディアを通じて2020年東京オリンピック・パラリンピックの象徴的なビジュアルの一つとして印象に残るよう、デザインに気を使った部分だという(資料:三井不動産)

 

  • 所在地:中央区晴海5の一部
  • 施行者:東京都
  • 特定建築者:三井不動産レジデンシャル(代表)、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、住友商事、東急不動産、東京建物、NTT都市開発、新日鉄興和不動産、大和ハウス工業、三井不動産
  • 再開発コンサルタント:日建設計
  • 設計:日建ハウジングシステム、東急建設、日本設計、長谷工コーポレーション、三菱地所設計、前田建設工業、三井住友建設
  • 施工者:東急建設、長谷工コーポレーション、前田建設工業、三井住友建設
  • 竣工時期:2017年1月
  • オープン時期:2022年秋、2024年3月など(タワー棟を含む、入居開始予定時期:2022年度から順次)
  • 階数:3街区板状棟:地下1階・地上15~17階 4・5・6街区板状棟:地下1階・地上14~18階、5・6街区タワー棟:地下1階・地上50階 7街区:地下1階・地上3階
  • 総延べ面積:67万187.70平方メートル
 

記憶に残る風景!!!

 

 

出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00110/00069/?P=1