55年ぶり2度目となる大阪万博の開催が決定した。

 

これを受け、日経 xTECH/日経アーキテクチュアでは、直前の10月9日にパリ日本文化会館で博覧会国際事務局(BIE)加盟国に対して招致会場計画のアドバイザーとしてプレゼンテーションを行った建築家、豊田啓介氏に直撃インタビュー。

 

「世界を覆い尽くそうとするITの巨人企業たちに、日本勢が反撃を仕掛ける最後のチャンスになる」。そうみる豊田氏に、万博の開催が持つポテンシャルについて聞いた。

 

 2018年11月23日(日本時間24日深夜)パリ。博覧会国際事務局(BIE)総会の投票により、アゼルバイジャンのバクー、ロシアのエカテリンブルクを破った大阪が晴れて2025年5月3日から11月3日までの万博開催都市に決まった。

 

会場予定地は、大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」。約2800万人の来場者を見込み、政府は経済波及効果を約2兆円と試算している。

 

ビッド・ドシエ(立候補申請文書)に示されている会場計画(仮計画、以下同)。キーコンセプトは、「非中心」と「離散」。

ランダムに配置されたパビリオンが世界中に広がる個々人を表し、万博会場を「世界中の人々が共創していく未来社会」と見立てている(資料:経済産業省)

 

 

 このドリームプロジェクトを勝ち取るにあたって、他の2都市に大差をつけた勝因はどこにあったか。

 

開催決定直後の記者会見で、招致委員会会長の榊原定征・日本経済団体連合会名誉会長が挙げたポイントのうちの1つが「万博のテーマ性」だった。

 

 2025年の大阪万博では「SDGs(国連の持続可能な開発目標)」の達成を目指すほか、政府が提唱する超スマート社会「Society 5.0(ソサエティ5.0)」という政策を紹介。

 

IoT、AI、ロボティクス、ビッグデータ、バイオテクノロジーといったテクノロジーを連携させながら用いて、社会全体をアップデートさせるというスローガンである。

 

 

会場となるのは、大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲(ゆめしま)」(資料:経済産業省)

 

会場イメージ。約155haの土地の中心部にパビリオンなど、南側水面に水上施設など、西側緑地にアウトドア施設などを整備する(資料:経済産業省)

 

 

自然界の中にも存在する「ヴォロノイ分割」によって自動生成された会場構成。

「個と個の関係」や「多様性」「有機的なつながりと成長」を重視する未来社会を象徴するモチーフとして、ヴォロノイパターンを採用。あえて中心をつくらない、離散的な施設配置を特徴としている。

パビリオンの立体的、多様な組み合わせにより、起伏のある景観を形成する。立候補申請書や広報用パンフレット、ラッピングバスなど招致活動で用いられた多角形パターンのデザインにモチーフとして受け継がれている(資料:経済産業省)

 

 

ヴォロノイとは、「ランダムに散らばる複数の点があるときに、それぞれの点からの等距離を通る線(垂直二等分線)を引く」という単純な原理によって、点ごとの領域を求める作図手法。自然界にも存在する反復的な幾何学パターンとして知られる(資料:経済産業省)

 

コンピュテーショナルデザインによるヴォロノイパターン生成時のイメージ(資料:経済産業省)

 

 

BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)、センサー技術を活用した、物理的な会場と併存するデジタル会場システムの提案(資料:経済産業省)

 

 

未来社会の実験場"People's Living Lab"を掲げる。開催前からオンラインプラットフォームを開設し、世界中の課題やソリューションを共有するコミュニケーションハブとする。「80億の人々が本万博に参加することを可能にし、新しい価値観や社会・経済システムを共創するためのクリエイティブな仕組み」をつくる。併せて、「2025年の後も続いていく」「会場への来場者だけではなく、全世界の人々が遠隔で参加することができる」ものとする、といった趣旨が立候補申請文書に記されている(資料:経済産業省)

 

 

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)の技術を活用した、来場者の交流の場の提案(資料:経済産業省)

 

 

会場全体は、パビリオンをランダムに、より自然に配置する「Pavilion World」。再生可能エネルギー施設やグランピング施設、広場などで構成する「Green World」。水上ホテルやVIP用のレセプション施設で構成し、花火や噴水で演出する「Water World」にエリア分けされる(資料:経済産業省)

 

 

会場内の5カ所に「空」(くう)と呼ぶ大広場を設ける。これらと2カ所のエントランスをメーンの通りでつなぎ、大屋根を架ける(資料:経済産業省)

 

 

会場イメージ。淡路島や明石海峡大橋を望める場所に立地する(資料:経済産業省)

 

 

モノと情報を扱うプラットフォーマー覇権の変遷(資料:noiz)

 

 

大阪万博決定

よかったです。

出来上がりが楽しみです。

行くぞ!!!

 

出典=https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00154/00333/