副題は、「ーセラピーとスピリチュアリティをめぐる社会学ー」
「「カルト」は人の心を操作するものとして表象あsれるが、「心理療法」もまた、科学の事例に、人間の心を統御しようとする試みであり、その2つは結びつきやすいのかもしれない。
…[略]……心理主義とは、科学的な根拠を意識しながらも、人生の選択においては伝統よりも個人の感情を優先し、自己責任を基盤として、自己が成長することを志向し、そして人生やキャリアにおいて「自己実現」を目指すような姿勢・人生観だといえるだろう。/ そうだとすると、心理主義は現代人にとっての一種の「宗教」なのだろうか?」(「はじめに」pⅲから、)
このような刺激的な問題意識の提示から説き起こされている、社会学者のセラピー論。170頁ほど。引用部分が多いものの、論旨は平均的な心理学論文よりはるかに明快で読みやすいです。
「心理学は、市場が宗教性をスピリチュアリティという言葉によって囲い込む道を提供し、宗教がもっていた現状への脅威を政治的に除去してしまった。要するに、心理学(個人主義化)による宗教という領域への乗っ取りは、資本主義(企業主義)によるスピリチュアリティ乗っ取りのための基盤となったのだ。」(Carrette and King 2005:79の引用箇所:孫引き)
心理療法・自己啓発セミナー・心理学を他者(との関係性)をコントロールして自らに利益をもたらすための方法論として利用することに、関わる自己啓発本として、一部の臨床心理学の大衆書は(かなりの勘違いの下で)消費されては来なかったか?
基礎(実験)心理学こそが、前者の目的に資する可能性が大いにあるのにも関わらず。
だから、「苦しい体験をしたあなただからこそ、その体験を活かして、よき心理カウンセラーになれる」という言説をま(真or魔)に受ける人がでてきてしまう。
最初と最終の関門がマークシートだったりして、学部にも大学院にも国試にも受かってしまうかもしれない。....😹