超有名高級ホテルの子会社に就職したのですが見習い期間中親会社のホテルのレストランにウエイトレスとして配属されました。
洋食なので当然ナイフとフォークを並べる所から朝の仕事が始ります。
私の教育係になった人は当時 30才代くらいの優しいお兄さんみたいな人でした。
「僕がこっち側を並べるから そのあとで反対側を並べてみて」
並べ終えたらその人は「じゃやっておいてね」
と言ってどこかに行ってしまいました。
私は見様見真似でナイフとフォークを並べました。
「いったいお客様の手はいくつあるの?」
って思うほどナイフとフォークが並んでる庶民は結婚式くらいにしか見たことのないあれです。
教育係のお兄さんが戻って来たころ完璧に出来たと思ってドヤ顔だった私でしたがお兄さんに
「えっ、鏡?」って言われました。
そしてお兄さんが用意したセットの前に立たされて
「これよく覚えておいてね」
反対側に立たされて
「どう?違うでしょ?」
と言われました。
緊張していたのか私はフォークとナイフを逆にセットしていたのです。
叱られなかったし説明もわかりやすかったので私はお兄さんになついて楽しく見習い期間を過ごす事が出来ました。
お兄さんがお休みの日はウエートレスさんが1日教育係として担当してくださいました。
海外からのお客様にも飲み物とか単品を運ぶ事を積極的にさせていただきました。
そのウエートレスさんにはお客様自身のマナーを教えていただきました。
レストランですからおしぼりは出さないのが一般的ですが当時 おしぼりを要求されるお客様が多かったのです。
ウエートレスさんは
「要求されたら出しても良いけどレストランのテーブルにつく前に手を洗うのが人としての常識だから」と言ってました。
当時 試用期間で再契約をしてもらえなかった人がいたのかはわかりません。
たまたま私は現在の外資系の会社の事情を聞く事が多いのですが今回のコロナ騒ぎで外資系の会社でも再契約が出来なかった日本人が沢山居るようです。
元々 外資系の会社は福利厚生が整っているのできちんと会社の役に立っている人にはすごく親切ですが
日本のような温情がないので使えないと思ったらスパっと切ります。
それは私自身も1990年代に垣間見た事がありました。
私が「会社で有能な人んだろうな?」って思ってた人がバカンスから帰ってきたら自分のデスクが無くなっていたそうです。
その人が会社をクビになったはっきりした理由はわかりませんがその人自身が会社に貢献してると思っていた事が逆に経営者側には邪魔だったのだと思っています。
良かれと思って行動したことで自分自身が窮地に立たされる事ってあると思うんです。
昨日はそんなことを思いながら過ごしましたが素敵なご縁もありました。
長い目で見守っていただけたら幸いです。