ハラスメント防止と「気がきく力」共感のコミュニケーション | こころ元気研究所 鎌田敏(びん)『元気が出る講演会・笑顔いっぱいの研修』講師ブログ  

こころ元気研究所 鎌田敏(びん)『元気が出る講演会・笑顔いっぱいの研修』講師ブログ  

笑顔と元気をお届けすべく、全国各地で講演・研修活動。 行政、PTA、社会福祉協議会、企業、商工会議所、労働組合、経営者団体、青年会議所、医療機関、福祉介護施設、民生委員、安全大会など多方面で講師を担当。

パワハラ・セクハラ対策はNG学習だけではよくない気がする

 

某共済団体の機関誌に連載執筆しているものから・・・

 

 

コミュニケーション・コンプライアンス考察 『ハラスメントの本質と「気がきく力」』

 

職場のマネジメントには4つの側面があります。①お客様の利益になることを進めていく②職場のメンバーが幸せになることを進めていく③お客様の不利益になることはしない④職場のメンバーが不幸になることはしない、という4つです。ハラスメントとは④と関わってきます。例えば、「仕事は人間関係に始まり、人間関係に終わる」と言われますが、この大切な人間関係を乱すような、つまり、職場の和を乱すような言動はあってはならないということです。

 

ということは、ハラスメントはマネジメント側だけの問題ではなく、職場のすべての人たちに関わることになります。ハラスメントというと、上司から部下、男性から女性のイメージが強いですが、部下から上司、女性から男性へのハラスメントもあるのです。その意味でも職場のすべての人に関わることになります。

 

裁判や労働基準監督署などの相談を通して、ハラスメント事例がたくさん蓄積されていますので、明らかなパワハラ・セクハラであることが指摘できる部分が多くなっている一方で、これはパワハラ?セクハラ?というようなグレーゾーンなものもあります。しかし、相手が「不快だ、傷つけられた、不幸な気持ちだ」と強く感じたことに合理性・妥当性があればパワハラ・セクハラになる時代であると受け止めるべきです。

 

そこで大切なのが「気がきく力」です。気がきく人とは「相手の気持ちを察する人」「相手の立場に立てる人」「空気が読める人」です。気がきく力が低いと無自覚に相手を深く傷つけていることがあるかもしれません。無自覚なので傷つけた側はグレーゾーンでセーフだという時代ではない、と受け止めた方がいいことは先に述べました。そして、気がきく力を高めることは、大切なお客様への信頼にもつながります。

 

気がきく力を育むためには、自分から挨拶をする、お礼の言葉を伝える、困っている仲間がいたら声をかけるという「挨拶」「感謝」「協力姿勢」を大切にしましょう。「気配り」「目配り」「心配り」「場の流れを読む」「空気を読む」という他者への配慮、全体への配慮を大切にしましょう。気がきく人たちの集まりにおいて職場の和が乱れることはありませんね。

 

 

 

 

【ブログでの追記として】

パワハラ学習などは事例などを通して「あれはダメ」「これもマズイ」とNGを学習する(僕はこういうスタイルをNG学習と呼んでいます)ケースが多いものです。こういうアプローチももちろん大切ですが、結果として学習に参加した方々が学習後に「萎縮してしまう」ことが多いのも事実です。ですから

 

2012年3月厚労省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」提言より

「上司は、自らがパワーハラスメントをしないことはもちろん、部下にもさせてはいけない。ただし、必要な指導を適正に行うことまでためらってはならない。」

 

というメッセージも発信されています。部下指導は上司の大切な業務ですもんね。この場合、何のためにミスを指摘するのかを考えてみればとても分かりやすいですよね。ミスを指摘する目的が「どなること」だとこれは部下指導ではないですもんね。何のためにミスを指摘するのか・・・これだけでも気づきが深まり、ハラスメント防止につながる対話エクササイズになります。

 

NG学習だけですと萎縮してしまうことがあるのでNG学習ももちろん大切なのですが、それだけではなく「この人たちと一緒に仕事ができることがハッピーだ」と思える職場づくり、人間関係づくりという「望ましい姿にコミットメントする」学習もまた同時に大切であると考えています。そうした場合のキーワードの一つが「気がきく力」の向上になります。上記に書いたように「気がきく力を高めることは、大切なお客様への信頼にもつながります」よね。内側に、外側に目を向けても「気がきく力」は大切ですね。

 

 

 

雰囲気が伝わると嬉しいです。

 

こころ元気研究所【公式】ホームページはこちらから