初夏の干し魚

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樹々の緑も、見上げるたびに深い色になってきました…。

もうすぐそこに、令和初めての入梅も近づいていますが、

まだそれほどに湿度も温度も上がっていない心地よい日は、絶好の干物日和。


束の間の爽やかな風が、魚を旨くしてくれます。


鯵や鯛、鯖など、

そのままでも美味しい魚は言うに及ばずですが、

刺身にするには身がやわいな、という魚や、

旨味がさっぱりして少し物足りないような魚でも

干して水分を程よく飛ばしてやるだけで、

同じ魚かと思える程の濃い味わいに変身。

それが嬉しくてなりません。


下処理して開いたものを、立て塩につけます。

大きさにもよりますが、開きなら、

青魚は15%ほど、白身魚は少し薄めて12%、イカやキスなど身の薄いもの、切り身などは3%ほどの塩水に20分くらい漬け

水気をふいたら酒を少々振って、この時期なら丸一日、干物かごなどで干すだけです。



たとえばこれは、連子鯛。

見とれるほどに美しいですが、

水っぽくて身がやわく、真鯛とは旨味で比べようもありません。

 

 


けれど干したり、出汁を取ると思いのほか良い持ち味を発揮してくれる魚。

これから夏までが旬で、鯛の半分以下の安価で手に入ります。

 

庭の山椒の葉も茂り放題なので…



塩茹での実とともにザクザク刻んで、木の芽風味の干物にしました。

 




麦いかというするめいかの子供も、

今がおいしい季節です。

開いてわたを除き、楊枝や竹串を縫うように刺して一晩干します。




このイカは、朝の干し上がりが特に楽しみです。




すずきもさっぱりめの魚ですね。

こちらは三枚におろし、揉んだレモングラスを漬けたナムプラーをかけて干しました。




きのこと一緒にフライパンでソテーしたスズキの身をほぐしクレソン、トマトなどの野菜と和えて

タイ風きのこサラダに。

レモングラス漬けのナムプラーとレモン、ごま油のドレッシングがよく合いました。




 穴子は熱湯をかけて霜降りしてから皮のぬめりを包丁で丁寧にこそげ取ってきれいに洗い、

塩焼き程度の振り塩と酒で漬けてから

一晩干して白焼きに。

これは忙しい時に助かります。




そのままわさびで、取り急ぎの酒肴に。

甘辛く煮れば、錦糸卵と海苔、胡瓜などと穴子丼にもなります。

穴子やハモの骨があれば骨出汁、なければ水10に酒、砂糖、醤油各1の割合で30分程煮て、煮汁を煮詰めて穴子にかけます。

みりんを入れない方がトロッと上がりますよ。





 ジメジメな日々がやってくる前の気持ちのいい今、

風の力でできる魚仕事を重ねてあれこれ保存しておくと、

またあの猛暑のもと、億劫になりがちな魚の仕込みもせずに済みますね。

身近な魚はより美味しくなりますし、

普段手に取らないような魚、食べ方をよく知らない魚も、こうして干物にしてみると新たな発見があり、

面白さが止まらず、です。

…なのでまたまた長々と。失礼しました。


いつも読んで下さり、ありがとうございます音譜