親に三度捨てられた少年の実話 | 心理カウンセリング福岡|福岡 心理カウンセラー尾畑心湖の心のブログ

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心の辛いお悩みや問題、ストレスからくる心身の不調、アダルトチルドレンに起因するトラウマや精神疾患・症状で苦しんでおられる方々が、健康になり、悩みや問題を解決へと導く心理療法についてお伝えしています。

親に三度捨てられた少年の実話

~加害者も元々は被害者なのです~
心の栄養不足が招く悲劇


blogにお越しいただきまして
ありがとうございますおねがい
エビデンスのある心理療法を行っている
福岡の心理カウンセラー尾畑心湖です🐬


この記事は、
クライアントさんからも知人からも
一番反響を頂いている過去記事を
少し訂正・加筆して再投稿したものです。

私自身が体験した実話です。



私がA少年(ノリ)と出会ったとき
彼は17歳でした。

見た目は、あどけさが残る小柄でごくごく普通の可愛い少年。黒髪短めのさらさらヘアー、白Tシャツにジーンズ、はにかんだ笑顔、物腰は柔らかい。

見た目からは想像もつきませんが、この頃 彼は
高校にも行っておらず、ワル仲間と連んでチョイチョイ悪さをしていた様子。
そして 家庭内暴力は近所でも噂になるほどで、
還暦を過ぎた両親は腫れものに触るように 
いつもオドオドしていました。

周りの住民は、 ノリやノリの家を避けるように生活しており、子ども達にも家には近づかないように、道で会っても話さないでサッと逃げなさい ‥ と指導していたようです。

そんなある日、私が自宅の前で子どもと遊んでいるとノリが近くにやってきました。
私はすぐに“あの子”だと分かり、
一瞬ドキッとしましたが、
私から声をかけました。

私 「あなた、〇〇さん家の息子さん?」
少年 「はい、そうです。〇〇です」
私 「いくつなの?」
少年 「17歳です」
受け答えもちゃんとしていて礼儀正しい子‥という印象でした。

それからノリは、私たち家族にとても懐いてきました。
私の子ども達と遊んでくれたり、しょっちゅう家に来てはなかなか帰ろうとはせず、休日になると朝から私の家に居ました。
食事も一緒にし、出掛ける時も一緒に出かけるなど、ずっと行動を共にする‥‥そんな日が続きました。

その様子に ご近所さん達はハラハラしていたようで 何度も「やめた方がいい」「あなたや子ども達まで巻き添えになって大変なことになるよ」と忠告してくださいました。

同時にその頃、ノリの両親からはお礼を言われていました。彼が家で暴れなくなったそうです。

彼は愛が欲しかっただけなんです。自分の気持ちを分かってほしいのに、心の拠り所がなかったのです。自分の居場所がなかったのです。

私から見たら彼は純粋な子なんです。素直で礼儀正しく気配りができ、遠慮気味で、人懐っこくて、、、

そして心に闇を抱えていることは
私には分かりました。

そんなある日 ノリは自ら自分の生い立ちを話し始めました。

今の両親は育ての親であること。
生まれてすぐに実の親は育児放棄し、
乳児院に預けられたこと。
そして生後 半年の頃、
今の両親に引き取られたこと。
彼にはその事実は明かされないまま育ち、
たまたま母子手帳を見て真実を知ることとなったこと。

その時の彼の気持ちは計り知れません。

育ての親への、騙されてたという不信感。
実の親に捨てられたという衝撃的な事実。

彼は居ても立っても居られなくなり、
関西にいる実の親に会いに行きました。

が、そこでの実の親の対応が 
またさらに彼を傷つけたのです。
実の親は、「会わない。会いたくない。知らない。」‥そう言って彼を追い帰したそうです。

この頃からだそうです。彼が荒れ始めたのは。
ここで既に彼は実の親に二度捨てられたわけですから。

私に涙ながらに話してくれました。
悲しさ、悔しさ、やるせなさ、怒りが込み上げてきていました。


それから随分と経ったある日、 彼は友人から裏切られ少年院へと収監されてしまいました。友人をかばい、1人で全ての罪を背負いました。出来事そのものは私と出会う前に起きていたことだったようです。


その最中、育ての親も彼と縁を切ることを決意し、彼と話し合うこともせず法的な手続きまで済ませ、彼がいない間に引っ越ししてしまうということを私に伝えに来たのです。新築の一軒家を建てて間もないのに。。。


両親とも少し話しましたが 他人の私は 
もうこれ以上介入することはできません。

彼にはもう身寄りは居ません。

私はそんな彼の身元引き受け人になりました。


やがて退院の日、彼を迎えに行きました。
とても遠く、前日から家を出て 近くのホテルに一泊して。

彼は私を見つけると遠くから一礼し、
そして はにかんだ笑顔で近づいてきました。
彼は少年院で二十歳を迎えていました。
その証書を嬉しそうに見せてくれ、
あとは紙袋1つを持って私の車に乗り込みました。

すると すぐにノリは話し始めました。
「遠いところ、すみますん。ありがとうございます。ちゃんと更生します。したいです。」

「でも~・・・ 僕は‥ 僕は‥ 実の親に2回と、20年間育ててくれた親だと信じてた人と合わせ3回も‥‥3回も親に捨てられたんですね。」

「こんな人間が更生できますかね? ちゃんとまともに生きていけますか? どうやって生きていったらいいか、正直分かりません」とも言いました。

彼は、深ーい悲しみ。怒り。怖さ。。
一度にたくさんの思いを背負うことになりました。


彼は 親に三度捨てられ、とうとう独りになったのです。


彼は、問題児、非行少年と言われていました。
他人に傷を負わせたことはありませんが、
近所で評判のワルでした。
家にはいつもいつも居場所がありませんでした。
せめて、友だちとタムロして夜を明かす。
未成年だから補導されます。それでも繰り返し連日連夜タムロするので通報される。


彼は寂しかったのです。
気づいて欲しい。愛して欲しい。かまって欲しい。僕を見て!‥ そう思っても彼は求め方を知らなかったのです。

愛されたことがない子は
愛の求め方が分からないのです


彼は罪を犯しました。

しかし元々 彼は身勝手な大人たちの被害者です。やるせなくなります。


罪は罪なので、全てを擁護するつもりなどありません。それはそれです。罪を犯したことは反省し償うことは大前提です。

よく言う言葉で、「罪を憎んで人を憎まず」に あたいするのでしょうか?


不登校・いじめの加害者・キレる子・
家庭内暴力・暴走族・非行・キレる人・攻撃的な人・DV・虐待・ストーカー・薬物・犯罪・・・

これらは、一般的には 問題児! 悪い奴だ!敵だ!と片付けてしまいがち。被害者からしたら確かにそうです。許せない相手です。

だけど 元々は 幼い心がたくさんたくさん耐えがたく傷ついた過去を持っています。



実は…

彼のエピソードにはさらに驚く事実がありました。

彼が少年院に入った直後、偶然にも仕事で伺った小学校で、彼の小学生時代の担任の先生にお会いしました。

その先生からお聞きした話です‥‥

育ての親は子どもが欲しくってもできなかった。乳児院で可愛い子を見かけ念願の親になった。

しかし、彼の母親は専業主婦だったらしいのですが、運動会にすら顔を出さなかったそうです。彼は菓子パン1個を持たされ1人で隠れるように食べていた。それを見た先生は自分のお弁当を分けてあげ2人で食べた…というエピソード。

男性の先生でしたが、当時どうしてあげることも出来ずツラかった!彼は今も幸せじゃないんですね……と目線を下に落とされました。


やっとやっと念願の子どもが我が家に来てくれたのに、なぜ可愛がることをしなかったの⁉️

憤りを感じます‼️



育ての親からの愛情までも欠如していたのです!


心の栄養不足が
このような悲劇を招くのです


私は加害者の立場にいる人をかばっているのではありません。

こういうことが起きないように
今 子育て中の方、これから子育てされる方は知っててほしいと思います。


私の子育ては失敗ばかりでした。反省すること、後悔だらけです。子どもたちには申し訳なさや罪悪感でいっぱいです。自責からくるツラさ、苦しさから抜け出すため、たくさんカウンセリングも受けてきました。

そんな私だから、偉そうに言うつもりはありません。


「私たちは幸せになるために生まれてきた」のだと心理の先生に教わりました。それは紛れもない事実なんだと。。。
それを親の手で摘んでいいはずがありません。

子どもは間違いなく宝ものです。

その 「宝もの」は 愛情込めて、大切に育みましょう。

 お父さん!お母さん!
あなたが それが出来なくて苦しいなら‥
したくても出来ないことがツラいなら‥

まずは そこから解決しましょう。

出来ないあなたを責めてるんじゃないですよ!
だからあなたも自分を責めないで!
抜け出す方法はありますから。

たぶん、お父さんお母さんも、ツラく悲しく 同じような想いを抱えながら生きてきたのかもしれませんね。

ツラいですね~
私がそうでしたから、お気持ち 分かるつもりです。
でも…こんなツラい想いを子どもたちには させたくありません。


心の栄養不足が招く悲劇…
あってはならないことです。


この記事は自分で書いたものですが
何度も何度も読み返しています。
その度にノリを思い出します。

ノリとは連絡のとりようがなく
音信不通になったままです。

私の家族の中では今でも時々話に出ます。

元気かな?

幸せかな?


過去に投稿したときはノリのことを
A少年と書いていました。

今回は、あえて彼の名前ノリと書いたことには
理由があります。


私たち家族は彼のことをノリと呼んでいたから
ノリがこの記事を読んでくれたら絶対気づくはず。

目に留まってくれて
連絡してくれたらいいな…と
僅かな期待を持って、、、、


福岡市博多区に住んでいた時に出逢った
ノリ…逢いたいよ😌


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