2月2日(火)~3日(水)
体調は良くも悪くもあまり変わらず・・・。
強いて言うなら少しずつは良くなっているかな~。
下痢は2日に1日7回くらいと回数が増えてしまったので下痢止めを使いましたが、そうすると翌日は薬なしで4回程度に半減しました。
人間、不思議なものです。
あの「異次元の下痢」を経験すると、「普通の下痢」をそんなに辛いと思わなくなるんですね
多分、健康体から今の下痢になったらかなり辛いと思うんですが
胃の方はイマイチで、あまり改善されていません
食欲がほぼゼロになってしまって、美味しくない病院食はほとんど食べられなくなってしまいましたが、まぁ~しょぼいながらも売店の力も使いつつ、なんとかしのいでいます
当たりメニューの焼きそばは結構食べられましたけどね
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210204/17/cocorisamidori/91/76/j/o1080081014891396120.jpg?caw=800)
発熱は相変わらずです。
全くしんどくないのに、ちょっと上がってる時がある。
原因はやはり消去法で「なんらかのウィルス感染が疑わしい」のままです。
そうそう、月曜日の血液検査で即日出なかった分の検査結果が出まして、いわゆる「ヤバイやつ」は全部陰性でした。
アスペルギルスはもちろん、サイトメガロウイルスとかそういうもの。
これは大きな安心材料です
もう自分の体の免疫力回復を信じて大人しく過ごすしかありません
3日(水)の採血結果はこんな感じです。
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【血球】
・白血球 2.5 → 2.5 (正常範囲より低い)
・ヘモグロビン 9.5 → 10.1 (正常範囲より低い)
・血小板 77 → 104 (正常範囲より低い)
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白血球は残念ながら横ばいでした。
好中球も約1,500で横ばい。
ただ、単球の比率がまた上がっていたので、まだまだ血球が増えていく傾向が見て取れる、ということでした。
一方でヘモグロビンと血小板が増えてきているのは安心材料です。
退院の日までに正常範囲というのは難しいかもしれませんが、造血作用が回復していることは間違いないので安心です。
肝臓、腎臓、電解質も問題なし。
炎症反応を表すCRPも正常範囲に落ち着いたため、発熱や胃腸の不調が残るものの、5日(金)の退院が、(当日朝の血液検査で余程の異常がない限り)決定しました!
長い闘いの本当にクライマックス、いよいよです。
「もっと血球の回復を待って、マルクをしてから退院する」という方もいらっしゃいますが、主治医のY先生はよくわかっていらっしゃいまして。
・とーちゃんは退院した方が元気出るでしょう
・マルクをするのに通院するのは苦にならないでしょう
・胃も腸も入院しないとケアできないかと言われるとそうでもないでしょう
・何かあったらすぐ外来に来れますね
ということで退院OKが出たということです。
皆まで言わずとも、退院させてくれオーラを察してくれるY先生素敵すぎます
退院が見えてきた、ということで。
長らく放置してきました例のコーナーの最終章を書きたいと思います。
「自家移植とは」シリーズ3回目。
前回は「同種移植は病気を治すために移植をする」ということを書きました。
随分前でスミマセン
前回記事はコチラ。
アンパンマンで言うと、新しい顔に入れ替わって元気が出る、そんなイメージが同種移植です。
でも、自家移植は違います。
自家移植の主役はあくまで抗がん剤であって、予め採取して移植する自分自身の造血幹細胞は白血病細胞に対して何もしません。
このブログで度々触れてきたように、「抗がん剤」というのは「がん細胞を攻撃する薬」ではありません。
わかり易く、ちょっと乱暴な言い方をすると「元気な細胞を片っ端からやっつける薬」です。
じゃあ何で「抗がん剤治療」が成り立つかと言うと
・がん細胞は例外なく元気な細胞
・抗がん剤を使った後、がん細胞は死ぬが正常な細胞は復活する
という2つの事実があるから成り立つんです。
これって少し視点を変えて言うならば、「通常の抗がん剤治療は正常な細胞が復活できるレベルまでしか行わない」ということです。
絵にするとこんな感じ。
私の例で言うと、12月に「大量キロサイド療法」という治療を行いました。
これは読んで字のごとく、キロサイドという抗がん剤を大量に使う治療法ですが、血球は一時的にゼロに近づいたものの、復活してくれたわけです。
自家移植は違います。
いや、正確に言うと「自家移植の前処置」は違います。
今回の私のケースで言うと、ブスルフェクスとアルケランという抗がん剤を使いましたが、これを正常な細胞が復活しないレベルまで使いました。
そのレベルまで使って、骨髄の中に生き残っているわずかな白血病細胞を徹底的に殺す
のです。
つまり、言うなれば、自家移植の前処置は「究極の抗がん剤治療」です。
まともな造血幹細胞は巻き添えを食らう形で尊い犠牲となります。
全部死んで・・・そして回復しません。
放置すると、白血球も、血小板も、赤血球も回復はしませんので、永遠に輸血&クリーンルーム生活ということになります。
それではもちろん困ります。
だから、ある意味、やむを得ず、あらかじめ保存しておいた自分の造血幹細胞を体内に戻すのです。
戻すことによって、移植前と同じように造血作用を行えるようにする。
自家移植の目的は?というと正にこれで、「復活しないレベルまでなった造血作用を復活させるため」ということになります。
「白血病細胞を殺すため」ではないんです。
チャートにするとこんな感じです。
思えば、C大にセカンドオピニオンを求めた時、応じてくれた教授が「自家移植は抗がん剤治療の延長だから」という発言をされたんですね。
その時はその真意がわかっていなかったんですが、今はわかります。
自家移植はGVHDのリスクがない代わりに、GVL効果がありませんから、前処置の抗がん剤で白血病細胞が殺しきれていなければ、確実に再発します。
なので、殺せない可能性が高い場合は同種移植を選択する方がベター、ということになります。
私の場合は、さまざまな意見をもらい悩んだ結果、自家移植を選択しました。
究極の抗がん剤治療で白血病細胞を殺しきれるチャンスが高い、と踏んだからです。
これは遺伝子異常のタイプ(特にPML-RARα以外)とその数によるところが大きいと思います。
長々とこの記事を書いたのは、今後、同じような状況を迎えてしまった方がいらっしゃった時の判断材料になれば、と思ったからです。
同種移植と自家移植は全く違います。
自家移植は「抗がん剤治療の一環」なんですよ。
これが私の伝えたかったことです。
同種移植はGVHDが発症するリスクがありますから、移植はある意味、新たなスタートにもなります。
一方、自家移植は抗がん剤が勝負なので、移植から復活すればある意味ゴールです。
もし、同じ状況で悩む人がいらっしゃれば、可能な限り沢山の医師意見を聞いて決断されることをお勧めします。
私自身も全く違う意見を2つの大学病院で言われました。
かつて、私の担当医だった若先生がおっしゃっていました。
「移植は試験に出ないんですよ。正解がないから」と。
必要なのは正解ではなく「納得感」です。
いずれ医学が更に進歩すれば、正解が見つかることもあるんでしょうが、2021年現在ではまだ見つかっていませんので。
今回も長くなりましたが、ようやく退院直前に「自家移植とは」と書き終えることができました。
この辛い闘いを続ける方々の全てがいい方向に行きますようにお祈りいたします
それでは、今日も皆様が健やかでありますように!