12月25日(水)
クリスマスです。
最近ずっとエレベーターが止まる度に各病棟のクリスマスツリーを見てましたが、大体、ツリーで何階かがわかるようになりました
明日には片づけられるんでしょうか?
さて、我が病院の気になるクリスマスメニューですが。こんな感じでした。
ローストチキンだと予想していましたが、鳥はから揚げでした。ミートローフ、ウィンナー、エビフライ、コキール、ヌイユパスタ、ビーンズサラダ、だそうです。申し訳程度のケーキがついております。
栄養管理室、精いっぱい頑張ったんでしょう。クリスマス感は出ていたんじゃないでしょうか。味は・・・まぁね、お子様ランチ的な感じでしたけどね
治療の経過ですが・・・トリセノックスの副作用はフルコースですね。
軽い頭痛、動悸、胸の圧迫感、息苦しさ、食欲減退、目の充血・・・。シャワーを浴びる時には地震か?と思いましたが、揺れているのは自分でしたね。船に乗っているような感じ。
ラストにふさわしい感じです。よくゲームとかで「ラスボス」とか言われますけどねそんな感じです。
これを乗り切ったらゴールだと思うと気合が入ります
・・・が、基本、動かず寝てるだけです
「心臓の為にいいこと」というのがよくわからないので、「とにかく安静にする作戦」を採用しました。
そんな中、今日は血液内科部長の回診。陽気にサンタ帽をかぶっての登場です お茶目な先生です
私の事情はご存じなので、ストレートに聞いてみました。明日の心電図がNGだったらどうなりますか?と。
「正直、そうなったら相談だね~。残り2回をやめてしまうのか、2~3日休んで延長戦をやるのか、あるいは延長戦をやるにしても時期はどうするか、そんなことを全部含めて相談になるね。何とかキリのいいところで年内に退院してほしいけどね~」
ということで、何とも正直な答えが返ってきました。
「相談」は私との相談もあるし、各スタッフとの相談もあるというニュアンスでした。この病院の通常営業は27日=私の退院予定日までなので、病院側もスタッフの都合をつけないといけないし。
まぁ、明日の心電図をクリアすればいいことです。
頼む、持ってくれ私の心臓!
さて、この終盤になって温めていた「転移」やベサノイドとAPLについて記事にしてきましたが、もうひとつ書き残していたことがありますので、今日はそれを取り上げます。
今回もマニアックですし、APLの方以外には参考にならないので読み飛ばしていただければ
多分、普通の人には全く馴染みのない言葉・・・「髄注」です。
まだ「骨髄移植」とかの方が聞いたことがあるでしょうね。
少し前に「がん」とは何か、と「転移」について書きました。(コチラです)
白血病患者は”漠然とした転移の恐怖”に惑わされず、白血病細胞
をゼロにすることを最優先に治療を頑張りましょう、ということを書きました。
じゃぁ、白血病には転移はないのか、というと厳密に言うと違うけど、似たようなことがあります。
それが中枢神経への浸潤です。
白血病細胞が脳や脊髄などの中枢神経に入り込むことがある。
「転移」ではなく「浸潤」というあたり、医学的な定義では血液がんがお隣さんに染み出すという事なんでしょうね。
これが再発の原因になるケースが多く、それを防ぐために最初からいわゆる抗がん剤を入れておく。これが「髄注」です。
予防的に髄注を行うのは、脳や脊髄には点滴や内服で抗がん剤を使っても届きにくいからです。事後対処では遅い。
急性骨髄性白血病(AML)では、この中枢神経への浸潤は稀とされています。よって、検査等で一定の基準に達した患者のみ髄注を行うケースが多いそうです。
急性前骨髄球性白血病(APL)はもちろんAMLの一種なので、対策は同じです。
一方、急性リンパ性白血病(ALL)では逆に髄注を行うことが一般的です。理由はもちろん、AMLとは全く逆で中枢神経浸潤を起こし易いからです。
APLの諸先輩方のブログを見ても、髄注をされた方もいればそうでない方もいらっしゃいます。
さぁ~て、前置きが長くなりました
私は髄注をしたのか?するのか?という話です。結論はNoです。
先生の見解は「必要性を感じないのでやりません」ということでした。
「髄注自体は確立していてリスクも少ないのでやっても構わないのですが・・・」というコメントはありましたが、余計なことは極力しない、という彼のポリシーが現れています。
私は、今までの治療で「予後が良性」というグループに属しています。わかり易くに言うと「上の中」です。多分、ですけど(笑)
特に今までの検査で髄注が必要という基準に達したものがないため、やる必要がないという事です。
治療開始時の白血球の数や白血病細胞の特徴(染色体異常のバリエーションとか)、そして寛解導入療法の治療効果等によって、地固め療法の内容が決まりますが、この時点で髄注が必要かどうかが決まることが多い。
頼むから髄注をしてくれ、とお願いしたらきっとやってくれたと思うのですが、今のプロトコール、そして何より先生を信頼しているのでやらないことにしました。医療費抑制への貢献、という想いもあります。
ちなみに、私が先生とこの話をしたのは3コース目の最初の方でした。沢山の先輩方のブログを読んで、私も3コース目のどこかでやるんだろうな、と思っていたので。
もし、この記事を読まれている方で、絶賛治療中の方(特に寛解導入の終わりが見えてきた方、地固めに入られたばかりの方)で髄注を気にしている方がいらっしゃいましたら、主治医に確認されたらいいと思います。
恐らく。やるにせよ、やらないにせよキチンとした理由がありますから。
以上です。
これで用意していたマニアックな”素人なりの解説シリーズ”は全て書き終えました 後に続く患者さんやご家族、ご友人の方がに少しでも参考になれば幸いです。
うまくいけばあと2日で退院、ということで色んな人に挨拶したり、挨拶されたりしています。休みの関係でもう会えない元祖メイン担当看護師の方にもお別れの挨拶をしました。
入院当初の話など色んな話をしましたが、最後に「インフルエンザが本当に流行っているし、予防接種をしている病院職員でも休んだりしてるから、退院しても感染症には本当に気を付けてね!」と言われました。
冬本番、皆様も体調管理には気を付けてお過ごしください!