6月25日(火)

 

体調変わりなし。トリセノックスドクロデビューとはいえ、1日くらいでは副作用も出ない、ということでしょう。8:30~9:00に姿を見せる若先生が今日は来ない。採血は明日なので点滴が開始される10時までは暇な朝です・・・の筈でした。

 

9時過ぎに突然、新人看護師さんがやってきて「心電図呼ばれたんでお願いします」と。・・・は?びっくりこの朝一番パターンは想定外だった。今までの色んな人との会話と経験で昼からだと思い込んでたあせる 慌てて検査室に行ったものの、待ち時間はほぼゼロで、あっという間に終了。項目が少ないから早いんです、とのこと。これだったら、毎回朝一番にしてくれんかなぁ~予定が立てやすくなるんだけどな~口笛

 

 

少し歩いて病棟に戻ったら、ちょっと遅めの朝の若先生との会話。

ここで本日の事件が起こります。

 

「さっきの心電図は早速結果が届いて問題ありません」

「あとPCRの速報が出ましたが、陰性でした」

 

キョロキョロ??聞いた瞬間はピンとこない。陰性?何が??「PCR」というのは乱暴に言うと骨髄検査の遺伝子レベル版です。今思うと、若先生も興奮していたのか。それとも相手が私だから余分な説明は端折ったのか。

 

キョトンとした私に対し、若先生がもう一度口を開く。「つまり、分子学的寛解ということです」

 

・・・びっくりハッえー!?そうなん???ずっとこのブログを見ていただいている方は覚えてらっしゃると思いますが、念のため、もう一度

国立がん研究センター「がん情報サービス」のWebサイトの図を拝借して解説します。

 

 

第1ラウンドとして「寛解導入療法」に取り組み、少し時間がかかったけれどもゴールである「血液学的寛解」を達成したわけです。白血病細胞が減少し、正常な造血が行われるようになった。この時点で白血病細胞は10億個未満。"ギガ"ですね。図で言うとピンク色の横線です。

 

次に第2ラウンドの「地固め療法」で目指すのは「分子学的完全寛解」です。これは遺伝子レベルまでの検査を行い、白血病細胞100万個未満をめざします。今度は”メガ”ですね。図で言うと青の横線です。

 

ちなみに通常、現代医学で検査できるのはこれが限界です。どう調べても白血病細胞はおりません!というのがこのライン。

 

実際には例えば50万個の白血病細胞バイキンくんが潜んでいて、いつの間にか1億個まで増えとる!みたいなことがあり得ます。これが「再発」です。再発を避けるために、「地固め療法」では、時間をかけて徹底的に白血病細胞をやっつけるバイキンくんナイフプンプンのです。その結果、5年間分子学的完全寛解が維持できたら、治ったと言っていいんじゃないのってことです。

 

私の場合、好中球がなかなか増えてなくて「血液学的寛解」が普通の人より遅れた。(あくまで私の主観で60日までは標準とされています)だから血液学的寛解は得られたものの、「きっとギリギリで、細かく検査したら、相当な数の白血病細胞が残っているんだろうなぁ」と勝手に想像していました

 

が、少なくとも先週時点のピンポイントで見ると、白血病細胞の数という点では既に半年後のゴールに到達していたのです。PCR法という専門の機械を使う遺伝子レベルの検査をして「PML-RARα」が発見できなかった。つまり、白血病細胞は100万個以下です。

 

「これは喜ぶべき結果で、相当な治療効果が出ているということです。だったら、なぜ好中球があんなに伸びなかったのか、という疑問は残りますが・・・」と若先生は続けた。全く、真っすぐな若者である。私も同じ疑問を持っているので、手放しに喜んだりしませんニヤリ

 

午後に先生とも会話しました。表情は明るいキラキラ「既に聞かれていると思いますが・・・」ええ、もちろん聞きましたよ。で、正直に気持ちを伝えました。何で寛解導入が遅かったんですかね?と。

先生は「それがあったので実は心配しましたが、今回は素晴らしい結果が出ました、これで気にされていたGバンドの検査も不要です」とのコメント。心配しとったんかいっ!とえーあせる心の中でツッコミを入れました。Gバンドの検査、とは二次的染色体異常を調べる検査のことです。多分、ギムザ染色のGですね。

 

それにしても。3歩進んで2歩下がる音譜の3歩がまた出たんでしょうか。まぁ、速報ということで正式な結果も改めて届くでしょうし、採血の結果も見てみないと。

 

先生も、「この状態は非常にいいのでこの状態をしっかりキープするための地固め療法をしっかりやりましょう」という感じなので、別にこの結果が出たからと言って、この先やることが変わるわけではありません。

 

ただ、合併症が大したことない、感染症予防ができている、とか何というか・・・"守り"的な「地味ないいこと」は積み重ねてきていますが、前向きにというか、こういう「派手ないいこと」は珍しいあせるということで記録として書いておきますお祝い爆  笑チョキ

 

ちなみに、本日のトリセノックスの点滴も何も問題はおきませんでした。まだまだ平和です。頭痛もなければ食欲もあります。脈は一瞬、動悸か?みたいなのはありましたが一瞬でした。

 

そして、隙間、隙間の時間に今日も歩いて3,000歩達成。これから暑くなったら朝と夕方しか歩けんな~と思ったが、そもそも今週から本格的な梅雨傘だから、病院の中でしか歩けない。そうすると3,000歩は無理かなぁ。

 

約半年後、スピーディな社会復帰をするためにも、極力動くようにしたいと思っています。同じ病気でも、もっと大変な思いをしたり、動きたくても動けない人もいるんだから、動ける幸せを感じつつ、無理も過信もせず、修行僧のように歩こう。ボウズだしねニヤリ

 

ちなみに、入院してから丁度2ヶ月でした。やっぱり節目には何かが起こる。来月は何が起こるやら。