6月20日(木)
体調変わりなし。夜、PICC(中心静脈カテーテル)を保護しているフィルムが痒くなって辛かった程度。血圧の上も低くて108、120も出て、運動の効果が出てきた気がします
その運動。週末の外泊も見えてきたこともあり、今日は頑張って歩いた日。久しぶりに3,000歩を突破しました。先輩ブロガーさんの忠告も参考にし、階段も取り入れてみました。登りも下りもやってみましたが、確かに筋力は自分が思っている以上に落ちているんだなぁ、とちょっと実感できました。先生にも「外泊時は想像以上に筋力が落ちているので特に階段は注意するように」と言われました。。
朝の回診で若先生と会話。最近、相当忙しそう。私なんて手のかからない順調な患者なんでしょう。今日も軽めの会話でしたが、一応、一昨日のマルクについて聞いてみました
結局、最初は骨髄に恐らく届かなくて、最終的には針を刺した穴はそのままで角度を変えて何とかなった、とのこと。2回針は刺したけど穴は一つだったんですね。骨には2か所の穴が開いたかも、ですが
さて。
本日のメインイベントはもちろん、第2ラウンドとなる「地固め療法」の説明でした。
現在の私は、白血病細胞が減って、正常な造血が行われているので、一見、治ったように見える状態(=寛解)です。が、実際はこのまま放置すると再発するので、徹底的にがんをやっつける為の治療が必要です。
急性前骨髄球性白血病(APL)は「ベサノイド」という薬があります。わかり易く言うと、これが"特効薬"なので、そもそも寛解率が非常に高い。よってここまでは既定路線で、再発防止に挑むここからが本番だと思っています。治療期間もこの第2ラウンドの地固め療法が断然長い。
第1ラウンドの寛解導入療法時の経緯やデータ、その最終試験とも言うべき骨髄検査の結果、それらを踏まえて地固め療法の方針が決まりました。その説明が本日でした。
先生が説明されましたが、若先生ももちろん同席。メインの担当ナースの方も同席されました。こちらは私と妻。
入院時の説明と同様に先生は「説明書」という文書を用いて説明をされます。
その内容については・・・少し、自分なりにも咀嚼が必要だなぁと感じていて、また明日以降、若先生や先生と話をしてから改めてこのブログに書きたいと思います。
大きなポイントとしては、2つの治療法が示されて選択をさせてもらえました。意見を聞いてくれた、という方が正確かもしれません。これは恐らく珍しい事なのではないか、と個人的には思っています。
先生はいつも平易な言葉で説明してくれます。今回の選択肢は「海外で主に行われている方法」か「日本のグループが行っている方法」かでした。
どちらもメインとなる薬は「亜砒酸(あひさん)」です。私のブログでは薬は商品名で書いていますが、商品名は「トリセノックス」です。いわゆる「砒素(ひそ)」ですよね。和歌山毒物カレー事件で用いられた、例の砒素です。これが急性前骨髄球性白血病(APL)には非常に有効な薬になる、ということです。
「海外で主に行われている方法」とは、「トリセノックス」+「ベサノイド」でした。それぞれ期間というか周期は違いますが、薬を飲んで、休んで、また飲んで・・・を繰り返すというもの。
「日本のグループが行っている方法」は「トリセノックス」を飲んで、抗がん剤を使って、また「トリセノックス」を飲んで、抗がん剤を使うというものでした。
日本のグループというのは恐らくJALSG(成人白血病治療共同研究機構)のことで、多くの大学病院が参加している団体です。日本の白血病治療のスタンダードを作っている感じでしょうか。とあるブログの情報によると「マイロターグ」を使った人は恐らくこの団体に所属する病院で治療を受けた人だそうです。この団体に参加している病院だと、問答無用でレジメンが決まるのではないでしょうか。
ちなみに、先生のお勧めは「海外で主に行われている方法」でした。この方法の1番のデメリットは、休む期間がある分、治療期間が長くなる、ということでした。年を越してしまう。(治療開始時点では4月末開始で半年を想定していたので11月中の入院終了を期待していた)
一方メリットは、血球の減少が少ないので無菌室に入らなくて済む確率が高い、体への負担が小さい。あと私にはこちらの治療の方がより有効だと考えられる、ということでした。
早く仕事に復帰しないといけないといった理由があれば日本の方式でも構いませんが・・・と先生は言ってくれましたが、私はこの長い入院期間で事前にいろいろと調べていた知識もあったので、海外の方法でお願いします、と伝えました。
正直、治療期間が長くなるのは辛いのですが、この地固め療法が再発防止に向けた勝負の治療。もちろん先生のことも信頼しているので、この方法に決めました。
ちなみに、薬を休む期間が結構あるので、その時の体の状況と相談しながらにはなりますが、外泊をすることもできそう。それができれば妻の負担も減らせるので、こちらの方がベターだと思ったことも判断材料でした。
最後に。もちろん確認させてもらいました。今週末の外泊でビールを飲んでいいでしょうか、と 先生は笑いながら「今は何の薬も飲んでいませんし、常識の範疇であれば大丈夫ですよ」とおっしゃいました。ありがたや、ありがたや