産まれちゃった! | ~I am~ わたしの操縦席にのるココロとカラダのケア☆

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カラダと心。痛みも不安も、そのままじゃなくていい☆生きるために、知らずについたクセに気づいたときから自分らしいストーリーがはじまります♡

三人目出産秘話です。







少しひんやりする空気の中

グレープジュースのような

くずの花の香り。 


娘の誕生日がくる。
この花は 娘の誕生花。



17年前。
末っ子の出産は、私の人生を変えました。



三人目。助産院でのお産を決めていました。

出産予定日から二週間近く遅れていました。

このままだと病院で産むことになります。


それまでは
一人目を 病院で。
二人目を 助産院で。

その経験から、
病院で『産ませてもらう』ことと
助産院で『自力で産む』ことの違いを感じていました。


一生に数回しかないお産。
できるだけ自分の力で!
と感じていました。



『どうしたらいいでしょう』

先生にたずねると

『歩くこと。赤ちゃんがおりてくる意識しながら。潮の満ち引きに合わせて』

『大潮に合わせて、だんだん増やしていって 
最後は10キロくらいかな』

わかりました。できることがあるならなんでも!


夏の暑さで使わなかった
さらしの腹帯をしっかり巻いて。
これは、クッとしまるので、断然動きやすくなります。

思えば、腹帯でお腹をしっかり固定しないから
赤ちゃんの位置が定まらず、おりてこられなかったようです。

それに、
上の子のお世話で、動いている『つもり』。
実は下半身は動いていない。
暑さで外に出なかったこともあり
知らず知らず運動不足でした。


近くの川沿い。 公園。
子供たちと一緒に。
時には義両親に預かってもらって。

大地を踏みしめるように。

赤ちゃんの頭が 
骨盤内におさまっていくイメージで。



数日のうちに 大潮がくる。

月の引力は確かにある。
お腹の張りかたで感じてきました。


大きな自然が、引っ張り出してくれる力。
この子が 出てこようとする力。
私の体が産み出す力。

すべてが一致した瞬間に
その時はやってくる。


私は 私の準備をする。
やるだけやって、流れに任せるしかない。



これ以上遅くなると入院になる
タイムリミットの日。

この日は大潮。



大きな公園にいき
家族に子供たちを遊ばせてもらいながら

私は歩きました。


空が青く
雲が軽やかで。

くずの葉が生い茂り
時々 紫色の花が
グレープジュースの香りで
私を振り向かせます。



今までのこと
これからのこと

思いめぐらせながら

いつしか無心になって


秋の高く青い空と

下を向いても地面が見えない
このお腹のまあるいフォルムと

一歩一歩を踏みしめる
私の足の裏

くずの葉を生い繁らせる
大地



全部が一体になっていくのを
感じました。





2~3時間歩けば10キロくらいかな。
そう思い、
家に帰り一息つきました。


身体を温めることも必須なので、
半身浴や
足湯もしました。

夕方になり、
背中が痛くなってきて
吐き気。

横になったりしながら過ごしました。

でも、まだまだと思っていて。

何度も夜中に目が覚めて
足湯を繰り返しました。



また横になろうと
立ち上がろうとしたとき


下にズーン!と押し下げる感覚が!!

いよいよ来た。
お尻の穴を押される感じ。

先生に連絡しよう。

『自分の身体の声を聴くんだよ!』と教わっていたので
確実な手応えを感じるまで先生のところにいくのは待っていました。

四つんばいになって、いきみをのがすポーズをとって、どうにか先生に連絡して。

『子供たちにおにぎりをつくって、出かけておいで。』との言葉で

さぁ、動こう

身体を起こした時…!



下に押し下げられる感覚が引かない。

触ると丸い。これは頭!


そのままじんわりと出てくる感覚が!!

首まで出て 
『ここで力を抜くんだった』
と身体が思い出して

ふっと力を緩めたとたん。


ズズズズッッッ  と。






ズボンの中をのぞくと

チラッと目を開けた 娘が!!!



駆けつけた夫がびっくりして

先生に電話すると
先生もびっくりしながら

『キレイなタオルで顔を拭いてごらん』
といわれ

拭いてみると
『ふにぁー』と声を出した娘。

その声を聴いて、先生も安心して

『そのまま抱っこしておいで』と。



まともな陣痛は 一回だった私は
体力が残っていて
娘をだっこしたまま スタスタ歩いていました。

へその緒が繋がったまま 抱っこして車に乗り、
助産院で数日お世話になりました。






いま 振り返ると 
無事に産めたことが奇跡でしかないことが
よくよくわかります。


危険なことでした。


でも、先生は、
『よくやったね。』とほめてくれました。

先生は いつも
『三つの命を懸けて全力で守るよ!』
と言ってくれていました。

赤ちゃんの命。
お母さんの命。
先生の助産師生命。


医療のおかげで、救われる命はたくさんある。
でも、頼りすぎることで
生命力がおちる。


先生は、
命の力を信じ抜き
全力で寄り添いながら
危険を判断するセンサーを研ぎ澄ませて

最大限の力が発揮できるお産をさせてくれました。

このことが、どれだけ自分の自信になったかわかりません。

産まれたい時に 自力で出てこられた娘。
この子の人生の始まりを
全力でサポートできた私。

絶大な信頼関係を感じました。



そして
【必要なタイミングに 必要なことをすれば
結果はついてくる。】

これを知りました。
これが一番大きな気づきでした。
お産だけではなく、すべてに通じることです。


必要な事さえわかって、実行したら
結果はしあわせなものに変わる。
私たちは知らないだけ。
自分の力を知らないだけ。


このことは、本当の育児のはじまりでした。

ただ目の前のことに追われて
忙しい 大変 休めない

育児は、その印象ばかりだったけれど


その子の必要なタイミングで
必要なことをしているか?

その目線を持てるようになりました。


今思えば、子供にもっとできたことがあったと思うけれど

あの出産をしなかった私だったら
選べなかった体験もたくさんしてきた。
その事に今気づいています。

よくやってきました。私。






どんなお産であっても

すべてが最善最高の結果である。

どれだけたくさんの人が関わり、
無事に命が守られることに全力を注いでいるのか。

その想いを受け取って
ひとつの命が誕生する。

客観的に振り返ると 
どれだけ守られていたのかがわかります。




妊娠、出産、育児は
人生を変えます。

ぼんやりしていると
何が起こっているかわからないまま
自分の時間と体力を消費していきます。

痛みも 我慢も伴います。

ともすれば、母親は
自分が『被害者』だと思い込んでしまいます。


思い出してください。

身体を明け渡して 
お腹で育み、産み出しました。

その奇跡のプロセスを実践しました。

その痛みは、 勲章です。


一人の人を産み出したのですから
ダメージが大きいに決まっています。

まずは、ご自分の身体を労ってください。
回復するためのリハビリをしてください。

周囲の方は、
ママがそれをすることを促してください。

一人の人生が始まっています。
メインサポーターのママが元気になってくれることが、
一番の子供のためになることなのです!!

ママが自分の力を最大限発揮できるように
私も全力でサポートしていますニコニコ