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女子クリエイターの徒然レビュー

女子クリエイターによる、展示、映画や読んだ本のレビューです。

新年、一冊目のレビュー。
精神科の医者でもある著者の斎藤茂太氏(通称モタ先生)は、真のポジティブシンキング。
様々な偉人のポジティブな言葉をモタ先生が厳選し、それに紐づけて感謝の心や前向きな発想力の大切さを説いている。
「ありがとう」って言葉、私も大好きだし、仕事でもプライベートでも一番言われてうれしい言葉かもしれない。
中でも、三洋電機の元副社長である、後藤清一さんの発想が素敵だと思った。
ある不運な事態が起こったとき、感謝の気持ちが有れば、楽観的に、ポジティブに思えるということ。確かに、悲観的に考えると「うんざり」と、すぐに悪い局面を先に発想してしまう。楽観的に考える人は健康で長生きし、いろいろな分野で活躍する人が多いらしい。
例えば、「今日は仕事が忙しい」のであれば、「ああ、今日はスケジュールが一杯で困った」でなく、「やるべきことがたくさんあってありがたい!」と考えること。なかなかこれは難しいけどね。。
最近地味についてないことが連発していたのでこの本はちょうど良かった。
モタ先生の本はこういう前向きな内容が多い。そして実はこの本、一昨年に読んでいた。気付かなかった。
毎年年間100冊を目標にしてる。(去年は117冊で突破!)
今年は最後の二十代でもあるし、実用書を多く読んでいこうと思う。
ビジネス、プライベート、恋愛などの日常のシーンで使えるような「言い訳」が凝縮。
会社を早退したいとき、上司の誘いを断りたいとき、大切な資料をなくしたとき、不倫
相手に結婚を迫られたとき、など、どう言い逃れるか。どう納得させるか。ありとあらゆるピンチ回避法を伝授。
例えば、アポの日時をリスケしたいとき、「せっかくなので大安の日に伺います」と言ったり。
確かに普段の生活で使えそうだ。

著者は東京プリンの片方。彼は変わった経歴の持ち主。山一證券で働いた後、森永製菓へ、そして広告代理店へと次々と職を変えながらも、芸能活動を平行してきた。
ところでエピソードによると、伊藤氏、かなりの女性遍歴だ。
毎回出てくる女性が変わる。どんな人なのかググってみた。ひいき目に見てもイケメンとは言いがたかった。しかし、モテる所以はわかる気がする。仕事の要領も良く、顔が広く、そしてリップサービスが上手い。

多少、自信家なところが鼻につかないわけではないが、でも本当に才能豊かな人。東京プリンの音楽も聴いてみよう。
斎藤孝氏の本は2年ぶり。
明大の教授であり教育学者である彼は、驚くスピードで本を出している。いつ出してるんだろう。忙しいのに。。とふと思うがそれは置いておいて。

本書のテーマは、「癖の強い人、過剰な人」。斎藤氏はドストエフスキーに心酔していて、熱狂的なファンであることが伝わってくる。
この本では、ドストエフスキーの作品を数点取り上げて、それらの登場人物を鋭く考察していく。「カラマーゾフの兄弟」の好色家の父親と難癖もある兄弟たちや、「罪と罰」の過剰に卑屈な男や、同情的な女。斎藤氏の端的な解説だけでストーリーが把握出来る。(私は読んだことが無い。)確かに、どの話も過剰な変人だらけだ。

特に、「罪と罰」の、主人公マルメラードフの娘ソーニャが不憫でならない。父親に売春婦を強要され、家計を支えながらも、父親を庇うという普通では考えられない神経だ。

しかし、彼の言うようにどれも存在感は濃く、頭に焼き付くのは確か。
「存在感とは、その人間が不在の時に会話で引用される回数で測られると考えている。いない時に噂になるような人間は存在感があるということだ。」と斎藤氏は言っている。

斎藤氏の考察は相変わらず鋭い。数えてみたら本書で22冊目だった。結構読んでいる。「三色ボールペン情報活用術 」とか「段取り力」のようなビジネス活用本よりも、彼の本は、偉人の伝記や本の考察の方が私は好きだ。斎藤氏はもともと知識の量もものすごいし俯瞰でものを伝えることに長けていると思う。

解説が上手すぎたのでもう十分。なのでドストエフスキーはまだ読まなくて良いや。