電車は現実を映し出す

全てを失った囚人のようにぼうっと立ちすくす定年間際の会社員

鉢に入った金魚のように力無く帰宅するサラリーマン

取れかかったメイクとよれよれの髪の毛でSNSを見ながら帰宅するOLたち

これらの人々の苦労は眉間の皺の数にきっと比例するのだろう

しかしながら、それはわかりやすい現実だと思う

夢の国と謳っているあのテーマパークも人手不足によって電車に広告が出るようになってしまった

人の生きる糧となる夢の職業も、そこには現実があることをインターネットは簡単に教えてくれる

もはや現実しか突きつけないこの現代社会に、なおすがりつく現代人は何を糧に生きているのだろうか

「役者になりたくて東京に出てきた」
その夢のある言葉の裏にはどのくらいの闇が潜まれているのだろうか



「喫煙所でシャボン玉をするような社会になったら

なんか良くないですか?」

彼の言葉は馬鹿げているようで、本から得たものは大きかった。そこには現代社会に通ずる本質を理解した上での発言だと、数日置いて理解した自分がいた。そして、私を力一杯励ましていたのである。


自分を貫き、ささやかにも発言をし続けること


とりあえず、シャボン玉買いに行こうかな