「永遠」
とはなんだろう。
「永遠」
を口にするのがどれだけ愚かなことかを私は知っている。
ところで、
言動より行動を見ろ
という私の母の言葉はいつになっても力強い言葉である。
失敗しないと大人にならない
という先輩からの教えは心に響く。しかしそれは彼自身が男として最高で最悪だからこそ力が宿っている気がしてならない。
別れたら、全部終わり
本当に終わり
戻れない
と繰り返し叫んだ深夜の彼の声が私の耳に焼き付いている。
こうした言葉が心に残ってしまうのは、その人の風格が言動に魂を宿しているからである。
私の気持ちも、彼の気持ちも秋の物静かな風と共にとっくに冷え切ってしまったのかもしれない。
しかしながら彼は、それでも、
「永遠」が切ないほど似合う人だった。