今日、電車内で見かけた清涼飲料水のポスターには輝かしい高校生たちがうつっていた。あの白いシャツと黒髪とみずみずしい肌は一生取り戻せないだろう。


人は高校時代に聞いた音楽を一生聞こうとする。

以前どこかでこんなことを聞いた。

強ちこれは間違いでないと思う。
多くの人は、あの頃の美しさや青々しさを思い出しながらスーツを着て、仕事をこぎつけて、聞きたくもない上司の戯言を聞き流し、汗だくの中そこらへんに死んだような目と灰のような肌をした人と密集しながら電車に揺られ、第二の職場である家庭に帰宅する日々を永遠と送っているのだ。


あの3年間はきっと一生帰ってこない。
あの3年間はきっと一生忘れない。
あの3年間はきっと一生語り継がれる。

どうしようもなく戻りたい。

でも戻れない。

あの頃は、髪をわざわざ染めなくても、赤いリップや流行の化粧をしなくても、あるいは耳に穴を開けなくても、


十分すぎるほど輝いていた。



寒い中足を出して歩いたり、汗を流したり、下校途中にアイスを買って食べたり、勉強や成績で悩んだり


どれだけ願っても、もう帰ってこない特別で刹那な3年間。






ぐるぐると頭で考えながら、私は今日も灰に紛れて目的地に向かう。