私は捻くれた人間だ。
何事にも裏の意味を考え、実質より、本質より、もっと悪どい何かを常に見抜こうと努力を重ねる。
私はそんな人間なのだ。
私は人からのアプローチというのが大の苦手だ。
どれだけ好きと言われても甘い言葉を囁かれても私自身のその人に対する良いと思う要素や感情がなければ何も感じない。聴こえない。聞こえない。(ひょっとするときこうとしていないだけかもしれないが)そして、嫌悪感すら感じる。
ある人の言葉でこんな言葉が私の耳に残っている。
「全く興味のない人から向けられる好意ほど気持ち悪いものなんてないでしょう?」
当時高校生だった私には、その言葉の本質は理解できなかった。お高くとまった女が調子に乗っているだけだと思っていた。
しかし今、私は人からアプローチを受けると強烈な拒絶反応と吐き気が襲ってくる。
色々遊びたい。
私の学生を謳歌しようと出したこの目標は私のこの拒絶反応によって打ち砕かれている。
恋愛に興味がないのかもしれない。アセクシャルかもしれないが、いや、でもしっかりと性欲はあるのだ。女に興味があるのかもしれないが、彼女らとの行為は想像を絶するほど私には気持ち悪く感じる。だったら男に興味があるのだが、今度は興味のある男が作れない。ぐちゃぐちゃのめちゃめちゃだ。私自身で私自身のことを理解できない。まるで他生物を扱っているようだ。
褒め言葉も興味のない人から向けられると気持ち悪い。
好意のない人間は私の中では人間ではない。
言葉をそのまま受け止めようとしない。
する気もない。
一生素直にはなれないと誓おう。
だって私は捻くれた人間だから。