何だろう。
今日、会った1人の医者は、素朴で、なんとなく生真面目さが漂う、私の「タイプ」というものから外れたような人だった。
しかしいざ手術が始まり、麻酔が効き始め、不安になると、私の目には、その小柄な体型から想像できないほど、彼が頼もしく、大きく見えたのだ。
そして医者としてなすべき行為をし、立派に手術を終えると、彼の背中といい、彼の雰囲気といい、私の彼への見方は初めて会ったときと180度違った見方になった気がした。
人間なんて、実際そんなものである。
第一印象や憶測から人を判断しても、中身までは見えない。
私が初対面で、この人は怖い、仲良くなれないと思っていた人ほど、今最高の親友になったりするものである。
自分をほんの少し疑ってみる。
そうすると自然と世界は広く見えるのだ。