私は人によってイロを変えられる。
静かな子には静かに。
うるさい子にはうるさく。
寧ろ、そんな風にイロを変化させないと生きていけなくなっている。
昔いじめっ子だったように、私の心にはとんでもない悪いモノが住んでいるんだと思う。
誰とでも仲良くするように気をつける。
でも一緒にいて気分の悪い人とは絡まない。
そして、どれだけ仲の良い人にも完全な自分を見せない。
重ねられたイロはカメレオンのように美しいものではなく、まるで何度も何度も混ぜられた絵の具のように黒く汚いものになっているのかもしれない。
何年もかけて作った壁はいつの間にか自分でも絶対に壊せないほど分厚くなっていた。
そして、今でもその壁は日に日に厚さを増してくのだ。
そんな状況が私は恐ろしくてたまらない。