ずいぶん前、私の学校で「地雷」と呼ばれている女がいた。地雷はすこし変わり者だった。学校の”ルール”を根底から理解していなかった。自分を貫き通した。それを周りは許さなかった。日々、周りを悪い意味で驚かせていた発言が「地雷」だった。無論地雷は孤立していた。
ある日、私たちがシライ!と大きな声で叫んだ。クラスメイトの名前を呼んだだけだった。地雷はすばやく振り返った。そして私たちを数秒見つめた。私はその時の地雷の表情を忘れられない。切ないような悲しいような覚悟したような辛そうな沈痛そうなその表情が。地雷はその後、軽く口角を上げて「あ!ごめんね...!地雷って言われたのかと思った!」と言い訳をした。今にも潰れそうなその様子が今でも忘れられない。
彼女は今幸せに暮らしているのだろうか。