私は
広島の地に行ったことが
ありません。
人が人の命を奪う残酷さ…
その手段として
広島が体験した
人の世の地獄…
原爆の恐ろしさ…
直視しなくてはいけない
絶対忘れてはいけない
大切な1日。
毎年この朝は
黙祷をささげています。
どんな理由があろうとも
戦争は愚かなことです。
私の父は
自分の死期を悟ったとき、
夕日が見える病院の
小さな窓を見つめながら
車いすを押す私に
特攻隊出撃の地である
知覧の話をしました。
父が知覧を訪れた時は
その草原に黄色い花が
たくさん咲いていて
風になびいていたそうです。
普段無口な父が
泣きながらするその話を
私は黙って聞くしか
できませんでした。
父は昭和12年生まれで
直接軍事体験をしたわけでは
ありません。
でも
歴史の蔵書は
一部屋埋まるほどで
戦時のことについては
相当な知識がありました。
いつか
大切な気持ちを
心強く持ちながら
私は広島に行きます。
日本人として
この世に生を受け
平和な今
ここにいること
その当たり前のことを
当たり前としないで
自分がここにいる意味を
考えていきたい。
父から教わった
戦争の恐ろしさを
私自身はもちろん
未来ある子供たちにも
知ってもらいたい。
わかってもらいたい。
毎年、
この日はそんな気持ちになります。
センチメンタルな話だと
笑う人でも
「火垂るの墓」を笑うことは
できないですよね…
そう思いたいです。