Our Days  2022年 (全12話) タイ

主評価 ★★☆☆☆

 

超簡単あらすじ

大学進学と共に田舎からバンコクに出て来

たモンは住所を間違えてソウの家で一晩過

ごすことに。

酔った勢いでモンにキスをしてしまった

ソウに驚きソウの家を後にする。

その後無事に目的の家に着くが、友人の勧

めがありモンは渋々シェアハウスに住むこ

とに。

そこにソウが一緒に住むことに。

当初、警戒しソウのことを嫌っていたモン

だが、次第にソウに心を開くように。

高校時代のトラウマからバスケを辞めてい

たモンだが、ソウの説得でバスケを再開

する。

大学では演劇の課題にシェアハウスの仲間

と取り組むことになり、モンはピアノを弾

く事に。

上手くいかないモンにソウがピアノの指導

をする中、モンはソウへ気持ちを打ち明け

るが、海外留学を控えたソウは、関係を

始めても、別れが来ることを恐れ、モンを

思う気持ちがあるものの、気持ちに応えら

れないと、モンを拒否してしまう。

落ち込むソウとモンを見かねた友人と

ソウの従妹はソウに気持ちに素直に行動

してもいいのではと伝え、ソウはモンに

告白をする。

短い恋人生活を終えたソウは海外へ。

シェアハウスからソウが去って寂しいも

のの時間の経過とともに、寂しさも薄れ、

それぞれの道を進み始める。

 

感想

いいんですが、色々と残念な作品です。

キラキラしたBLが好きな方にはちょっと

物足りない作品かと思います。

ストーリー自体は王道青春ドラマをBLに

落とし込んだ感じの作品ですが、最近の

青春ドラマというよりは、1970年代の雰

囲気満載です。

もっさり系男子を主人公にすることで妙な

リアル感と、洗練されてない大人になる前

の大学生の青春群像的に描きたかったのか

な、と思います。

 

いろんな出来事を伏線にしすぎてストーリー全体の流れが悪くさらに映像全体が平面

過ぎて眠くなります。

二人の心の距離感や、悲しさやイラつきそ

ういった感じが画面の陰影やカメラワーク

で伝わってきませんでした。

映像の勉強をしたわけではないですがそれ ぞれの想いがあるなら、もう少し描きよう

があったのではないかと。

無理に挿入したようなコメディー部分も

正直、不要だったように思います。

と、勝手に批判してますが

「文句いうなら、お前撮ってみろよ」

と言われても、絶対無理ですが。

 

全体にエピソードの描き方が弱いのもぼん

やりした作品になった原因かと。

モンがバスケを辞めた理由は「嫉妬」。

自分に才能がないことに絶望し、セイント

に対する嫉妬もさることながら、それ以上

にモンの中には複雑な気持ちがあったので

はないでしょうか。

モンよりセイントの気持ちにスライドして

過去を描いているように見えて、モン自身

のエピソードとしての描き方としては弱い

と感じます。

また、ソウが海外留学が決まっているため

大学に行かなかった事についても、そこま で頑なに思い出を残したくないと思うソウ

のエピソードも欲しかった。

モンがソウを好きだと自覚するシーンも弱

いし全体に、のっぺりした感じ。

 

一番の違和感は、モンがソウに告白したに

も関わらずソウが拒否するタイミングがお

かしい。

あのタイミングで気持ちに応えられないと

ソウが言うなら、エレベーターに乗る前に

言いたかったのは何なのか?

それまでに何度も「告るのか?」と思わせ

た場面はなんだったのか?

理由が、海外留学するから気持ちには応え

られないというのも、モンの気持ちが判明

したからで、エレベーターに乗るまでモン の気持ちをソウは知らないので、その前の

タイミングで、恋人でもないモンに、海外

留学することを言いにくかったとも考えに

くい。

母親から、続けられないなら始めない方が

いいと言われたからなのか、はたまた大学

にいく事自体を拒否していたのだから、

鼻から、あきらめていたのかも不明瞭。

更に違和感があるのはソウのモンへの告白。

あれだけモンを傷つけて、自分の気持ちも

殺して、モンを拒否していたソウが、従妹

のあの程度の説得でモンに告白しに行くの

も軽すぎる気が。

BLに限らず、告白シーンっていうのは恋愛

ドラマでは最大の見せ場のはず。

この一番重要な部分の違和感があるので、 なんだかスッキリせずに終わりました。

 

ラストの話にしても

最後のライブもモンは聞き入るでもなく

ソウも普通に歌ってるし。

結局、あっさりソウは海外へ。

「SOUTS」のアフターストーリーほど劇的

に描いて欲しいとは言わないまでも恋人が

旅立つという割には、旅経つシーンもなく、

拍子抜け。

結局、二人は自然消滅的に終わった感の

あるナレーションで終わるのも、なんだか

スッキリしない。

そんな風だったからか

視聴率が取れる番組なら2ndシーズンも

あったのかもですが、ストーリー全体を通

してキャラが弱すぎて12話でおなか

一杯です。

しいて言えば

セイントとティムの方がピリピリしていて

ストーリー的には面白いかもと思ってしま

いました。

 

まとめ

結局、この作品で監督は何を描きたかたのか?

中途半端に詰め込んで散漫になってますが

おそらく、友情や人間関係、大人になって

いく過程を描きたかったのかと思います。

自分が感じたのは、青春群像という大枠に

囚われすぎて、モンとソウの人間的魅力を

十分に引き出せていないために、ぼんやり

した作品になったのではと思います。

監督と脚本が同じ方なので、撮りながら調

整していた部分があって、脚本の時点での

描き方が足りないのかなと感じました。

監督の中で、脚本の時点で完了して映像と

して見せなきゃいけない部分が欠如してし

まったのかな・・・と。

等身大の青春をノスタルジックに描きた

かったのだと思いますが、それが悪い方

向に出ていたように思います。

中途半端になるくらいなら、思い切って、

シェアハウスという設定を活かしたBLコ

メディーに全振りした方が良かったのでは

と思える作品でした。

 

追記

エミ―先輩役の女優オリーブさん。

BLドラマではおなじみの女優さんで、結構

好きな女優さんです。

綺麗な方ですが、ドラマでは元気で個性的

な役が多い女優さん。

日本でいうと木南 晴夏さんみたいな感じ

かな。

 

キャスト

モン:ナロンコーン・アルンラクタム

    (ギャップ)
ソウ:ミン・タサフォン(ミン)
セイント:カンタポン・ジンダタウィー

     ポール (オフロード)

ポンド:プーン・ミトパクディー
タック:ピティヌン ジャリヤヴィラスクル

     (ミュウ)
エミ―:ティティチャヤ・チウプリーチャ

    (オリーブ)