帰宅するとちょうど主人から電話があった。
「調子はどお?」
わたしは今までのことを話した。
「会社早退するから一緒に病院行こう」
主人が帰ってきてくれていつものように玄関を開けて迎えた。
「なんかね、動かないの。笑えないの。どうしよ...」
主人の顔を見たら涙がとまらなくなった。
病院へ着き、検査をし診察室へ1人で入った。
先生はわたしの顔の状態を見て、
「ベル麻痺っていう顔面神経麻痺の病気ですね。風邪で中耳炎になってウイルスが神経にいってしまった。疲れやストレスも関係してます。この麻痺はこれから約2週間はどんどん悪くなります。1か月で完治する人もいますが完治しない場合もあります。今日から入院をして治療をしていきましょう。」
わたしは頭の中が真っ白になった。
(この顔治らないの?入院?子どもは?どうすればいいの?)
涙がとまらなくなった。
「主人に相談してきていいですか?」
泣きながら診察室を出てきたわたしに彼はとてもびっくりしていた。
先生に言われたことを伝えようとしたけれど涙でうまく話せず、2人で診察室に入った。
先生は先ほどと同じことを話した。
主人は冷静に話を聞いた。
「入院以外に方法はないんですか?」
「入院しないのでしたら薬だけでの治療になります。しかし薬だけでの完治はなかなか難しいです。入院してステロイドの点滴をするのが一番です。」
「毎日点滴だけしに通院はダメなんですか?」
「それはできません。それに、この病気はゆっくり身体を休めることも大事です。」
「2・3日考えてもいいですか?」
「かまいませんが、この病気は治療が早ければ早いほど治る確率も高いです。女性でまだお若いのでこちらとしても完治させたい。すぐにでも入院して治療すべきです。」
「でも子どもの面倒を見る人がいません。...少し2人で話し合ってきてもいいですか?」
私たちは車に戻った。
ごめんね。本当にごめんなさい。
わたしは主人に謝り続けた。