片づけのいっぽをちょっとずつお手伝いします

兵庫県相生市のライフオーガナイザー

大西典子です。

 

 

 

先日は大阪で開催された

日本ライフオーガナイザー協会のカンファレンスに行ってました。

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JALOカンファレンスとは、

 

年に1度全国のライフオーガナイザーたちが一堂に会し、交流を深めるとともにライフオーガナイザーとしてのスキルアップや今後の活動におけるモチベーションアップを目的とした会員向けの年次総会です。

                          協会HPより引用

 

 

今年は協会設立10周年の年。

私は3年前に高松であったカンファレンスに参加し、今回は2回目の参加でした。

 

 

カンファレンスには海外のオーガナイザーがゲストとしてきてくださり講演くださいます。

また、今年はオランダ、中国、台湾のオーガナイザーも参加されており、カンファレンスの中で

各国の片づけ事情の話も聞くことができ、また中国の変化の速さもリアルに感じられる貴重な機会だと感じました。

 

 

この10年、スマホ、SNSの普及、インターネットでの買い物など世界の変化は本当に著しく、また、これからの未来、ITの普及によって

これから先なくなる職業もあると言われています。

 

 

そんな中片づけのあり方、

私たちオーガナイザーが提供できることは何か?

 

 

ITではなく、人ができること。

それは人に寄り添えること。

 

 

もちろんこれから体温のあるヒトのような

あったかいヒト型ロボットも出てくるかもしれません。

でも、感情によって体温が変わったり心が動いたり、それができるのはヒトだけです。

 

 

 

 

 

QOL(Quality of Life)  …生活の質

 

 

 

アメリカのオーガナイザーの一人、ジュディス・コールバーグさんの基調講演の中で

出てきた言葉です。

 

 

大学卒業後、看護師(当時は(看護婦さん」と呼ばれてましたが)として数年働いていました。

 

 

QOL って言葉は医療を学ぶ中で必ず出てくる言葉です。

 

 

クオリティ・オブ・ライフ: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

 

                                                          ウィキペディア より引用

 

 

急性期の病棟に勤務したことがあります。

今は治る病気でも当時(四半世紀ほど前)は不治の病と呼ばれた病気も扱っていて、シビアな状況の患者さんが多い病棟でした。

 

 

ある日突然病気が発症して入院して治療が始まる、そんな患者さんも多くいました。

 

 

 

しんどい治療の中、制限のある生活の中、QOLを踏まえて看護ケアをしてはいましたが、

普段の生活により近いものを提供できていたかというと残念ながらそうではなかったと思います。

 

 

医療的ケアが優先される中…それは生きるために大切なことですし、優先順位としては上位です。

しかしそうなると生きる喜びを感じるためのケアは優先順位としては自然と下がってしまっていたと感じます。もちろん患者さんの状態によりけりですけど。

 

 

 

ある日準夜勤(夕方から夜中の夜勤)の時、

準夜勤務の先輩が植物状態の患者さんの洗髪をし始めました。

 

とても忙しい病棟だったので他の先輩は陰口を叩いていました。

 

 

「なんでこんな(忙しい)時にやるん?」と。

「日中でならまだしもなんで今なの?」と。

 

 

清潔ケアは看護計画で決まっています。

当時は週1回だったでしょうか。日勤で行います。

けれども、その先輩は洗髪をし始めたのです。

 

 

多分、汗をかいて髪がベタッとしていたと記憶しています。

 

 

その患者さんはなんとなくわかっているようにも見えます。

でも喋られませんし、わかっているのかわかってないのかもわからない方でした。

気持ち悪いのか、そうでないのかもわかりません。

 

 

でもその先輩は洗髪をしました。

 

 

私より10近く上の先輩で、

仕事はできるけれど、勤務中もたまに休憩室に入ってたりする先輩。

たまにやることが雑で几帳面な先輩からは陰口叩かれてた先輩でしたが、

私にとっては尊敬できる先輩(陰口叩いてた先輩もまた違う魅力を持つ仕事のできる先輩で尊敬してました)、私の友人を守ってくれた先輩。

 

 

何も言わずいつもの調子で洗髪をしてる先輩の姿は印象的でした。

 

 

患者さんに寄り添った、 quality of life を考えたケアでした。

 

 

 

 

QOLって言葉を聞いて、そのエピソードを思い出しました。

 

 

その人が感じる健やかな状態

 

 

 

環境は人の健やかさに影響を与えます。

その人が感じる健やかな状態を維持できる健やかな環境を作る、

QOLを考えるサポートをしたい。

 

 

それは小さなアプローチでも変わってくるかなあと今は考えています。

 

 

と、ジュディスさんの講演だけでこんなに考えたのですが、

他の講演でも心響くネタがあったり。

 

 

カンファレンスに参加してよかった〜。

 

 

これからのキーワードだな、『健やか』って。

と感じたカンファレンスでした。

 

 

ちなみに私の出身校(私は当時短大に在籍していましたが)

英語名は

UOEH(University of Occupational and Environmental Health, Japan)といいます。

ライフオーガナイザーになってからこの校名に入っている『 Environmental Health』

が今の私と繋がってるなぁと自分の中で喜んでいます。

 

 

もう少しカンファレンスのことを書くと思います。