アカリン@とあるカップルの家族誕生小説執筆

 

 

 

オリジナルストーリー、人物の賀城修二と桃瀬里美の物語をひたすら掲載。

pixiv同様サンプル版を掲載していきます。

R18を含む、性欲強めカップルの物語。

大学生時代〜結婚〜妊娠、出産……国立大出身、両親のいない夫婦が家族をつくる。

以降連載中。

【5と0の付く日+気まぐれで更新中。毎月全6回+α更新。】 

《未来への足跡》 1〜17話 全体公開中

 

※Twitterにて支援者さま向け裏話や更新情報など呟いてます。

 

 

これはもうずっと過去の、修二と里美が最初に恋人同士になった頃の話。

 

現在の職場でもある研究所に入る何年か前、

学年はお互い異なるものの当時まだ大学生だった修二と里美。

 

同じゼミで当初は時々会話をする程度だったが、次第に『あの桃瀬さん。』と存在が広まると、その美しく可愛らしい容姿に加えて意外にも親近感のあるキャラクターに男性たちは群がっていった。

 

そんな仲間たちの姿に修二は良く思わなかった。

別に修二本人は特別里美と仲が良いとか付き合えそうだとか、全くもってそのような関係ではないのだが。

桃瀬家の娘、そして両親も同じ研究所に勤務していた優秀且つ有名な医師だった。

 

しかし、勤務中の事故で両親は亡くなり、年の離れた妹はいるものの里美は小学生にして身寄りのない孤児となったのだ。

 

一方、修二もその点については勿論興味を抱いていた。

なぜなら、修二自身も両親を幼い頃に失っていたから。

 

が、容姿と生い立ちだけに惹かれて群がる他の男と同じ部類にはなりたくなかった。

何度目かの飲み会でテーブルが一緒になると、何とも気まずい質問が飛んできた。

 

「ねぇ、賀城くんて私のこと嫌いなの?」

「へ?何で?」

 

心当たりのない、思いもよらぬ相手からの問いにいつも余裕の態度でいる修二も目を丸くした。

 

「だって私ね他の先輩とは話してるけど、賀城くんは全然話しかけてくれないし、私も話しかけにくいもの。」

「あー、そうだった?悪かったよ、そんな嫌いとかないから大丈夫。」

「そ?じゃあ良かった!」

 

里美がニカっと大きく笑うと、修二の心に何かが響く。

 

何なのか?確かに嫌ってはいないのだが、無意識に避けていたのか?

いや、きっと初めて見た時から『好意』を抱いていたのだ。きっと。

 

 

それから二人で飲みに行くようになった。

居酒屋にラーメン、ファミレスにファーストフード。

 

お互い学生でお金もないしデートといえばこんな場所ばかりたったが、修二は何度目かの食事でリーズナブルに楽しめるイタリアンへ誘い、その帰り道に修二から告白すると恋人同士へと関係はステップアップした。

 

「言い寄られてるヤツも沢山いただろ?付き合ったりとかしなかったのか?」

「なかったわね…だってあの桃瀬医師の娘だから皆寄って来てるワケでしょ?」

「そうなのかねぇ?桃瀬は外見も性格も可愛いし、そんなことないと思うけどな。」

 

本人がこれだけ自分の容姿や魅力を理解していないのもなかなか素晴らしいが、そんなことよりも今は純粋に里美と恋人同士になれたことが嬉しかった。

 

付き合い始めてから本人たちはあえて周囲への報告というものはしなかったが、仲間たちは二人の関係を徐々に察していた。

 

あれはあの年の忘年会だっただろうか、まだ付き合い始めて1ヶ月がたった頃、今よりもまだまだ飲み方が子どもだった里美。

 

「桃瀬さん、大丈夫!?歩ける?」

「…ゔー?次どご行くのよ…早く次〜!」

 

里美の友人が身体を支えてエレベーターに乗り込むが一階に降りるまでも立っていられない。

 

先に出入り口で待っていた修二は、外に出てきた里美を見て『もうダメだ…』と感じた。

 

このまま男性を含む友人たちに預けては何が起こるか分からず、里美のためにもこういう時こそ自分の役目なのだと感じた。

 

「こいつ、俺が連れて帰って面倒見るよ。」

「え、修二が何で?持ち帰りかよー?」

「そんなんじゃないから…」

「修二くん…好き。チューしてー?」

「ここではしないぞ、帰ってからな。」

「まぁ…そういうことなんでね。」

「うわぁぁ、マジかよー!そうかもとは思ってたけど、やっぱりかよー!」

 

酔っているとはいえ修二に甘えてくるのはいつものこと、この場で2人の関係を確信した人々は一年の最後にショックを喰らった。

 

 

「桃瀬?歩けてないな…背負うから乗って、ほら。」

 

このペースでは翌朝を迎えてしまう。

 

しばらく歩いていると、徐々に里美も落ち着きを取り戻したが目がトロンとして今にも寝落ちそうだ。

 

背中に乗せると全体重がのしかかり重たいのは確かだが、里美のあの細い身体、やはりこんなもんだろう。

 

さて、これからどうするか?

幸い、修二は大学近くのアパートに一人暮らししていた。

 

家賃は厳しかったが大学に近いメリットの方が多く、今こそそのメリットを活用する時であろう。

里美をまだ部屋に呼んだことはなく、デートはいつも外だった。

 

すぐ近くにはホテルもあるが、学生にとっては大きな出費なのだ。

修二は自分のアパートに着くと、里美をベッドに寝かしてやっと一息つく。

 

寝顔を見ていると愛しさが込み上げ、髪を撫でるとフニャフニャと何かを喋っている。

その間に修二がシャワーを浴びて部屋に戻ってくると、モゾモゾと里美が目を覚ました。

 

「あ…悪い、起こしちゃったか。桃瀬もシャワー浴びておいで。」

「ここ…」

「俺ん家。飲み会の帰りのこと覚えてないだろ?俺がいたから良かったけど、あのままじゃアイツらに持ち帰られてたぞ?」

「あ…ありがとう…」

 

里美は恥ずかしそうに我が身を省みた。

 

「シャワー、借りたいけど着替えないし私買い物してくるわ。」

「服は俺の着ればいいよ。下着か…さすがに俺にはよくわかんないなぁ…一緒にコンビニ行くか。」

 

再び夜道を歩くと、酔いは更に覚めてゆく。

 

「修二くん、何で今日テーブル違うところにいたの?いつ来てくれるのかなって待ってたのに…」

「だったら呼んでくれたら良かったのに。桃瀬だって友達との方が楽しいだろ?俺はあんまり付き合ってるからってさ、人に見せつけるようなことは好きじゃないからなぁ。」

「ふ〜ん…」

 

コンビニに到着すると、里美はとりあえず必要な物をカゴにいれ、ついでに修二もさりげなく薄いゴムの箱を入れた。

 

修二が会計を済ませると、再び夜の道を2人並んで歩く。

家に着くと里美はようやくシャワーを浴び、先程購入してきた新品の下着を身につけると、修二のブカブカなスウェットを着た。

 

「やっぱ大っきいなぁ…修二くん、袖折ってぇ…」

 

袖を捲ってもすぐに落ちてきてしまい、そんな苦戦する里美が可愛い。

 

「もう下は履かなくていいんじゃないか?」

「確かに…」

 

まるでワンピースのように着る里美の下半身はチラチラとショーツが見え、修二の心を昂らせた。

 

コンビニで買ったアイスクリームを食べながらテレビを見ていると、「修二くんのも食べたい!」とねだる里美に修二は自分の口の中の生温かい物を押し込んだ。

 

「んっ…あっっ、何!?」

「食べたいんだろ?それにさ、飲み会の後ちゅーしてって皆んなの前で言ってたじゃん?」

「うっ…」

「言ったの覚えてたんだ?」

「飲んで気が高まってたから…甘えたくなっちゃったってのはある…」

「けど、男なら誰でも良かったってわけじゃなかったみたいだな。ホイホイついて行かなくて安心したよ。」

「それは流石にね…」

 

修二はスプーンで口にバニラアイスを含むと再び里美に口付け、それを口内に流し入れた。

 

「ちょっ……汚い…」

「汚いとか言うなよなぁ…」

 

素直な里美の心の内、それも素直な性格だからこそであり、そしてより愛しさがより増す。

そのまま里美をベッドに寝かすと、修二は甘ったるい唇のまま繰り返し口付けた。

次第に深い交わりに変化すると、呼吸のタイミングを上手く掴めないでいる里美が苦しそうに修二の胸を押し返す。

 

「はぁ…ちょっ…待って、息させて…」

 

呼吸を整えると、修二はコンビニの袋からペットボトルを取り出すとミネラルウォーターを含み口内を整えた。

 

「桃瀬も飲むか?」

「うん。」

 

甘ったるい口内もなんとなくスッキリし、チュッチュと音を立てながらキスをする。

 

 

※全文はpixiv内にて公開中。