アカリン@R18性欲強めカップルの家族誕生小説執筆

 

 

 

オリジナルストーリー、人物の賀城修二と桃瀬里美の物語をひたすら掲載。

pixiv同様サンプル版を掲載していきます。

R18を含む、性欲強めカップルの物語。

大学生時代〜結婚〜妊娠、出産……国立大出身、両親のいない夫婦が家族をつくる。

以降連載中。

【5と0の付く日+気まぐれで更新中。毎月全6回+α更新。】 

《未来への足跡》 1〜17話 全体公開中

 

※Twitterにて支援者さま向け裏話や更新情報など呟いてます。

 

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双子を孕った頃の事を思い出していた里美。

悪阻で辛い中でも、性欲だけは更に増していた妊娠中期の話。

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悪阻が辛い。

あっという間に中期にへ突入したはずなのに、胃が圧迫されるせいか不快感が治らない日々。

里美はすっきりするまで吐きリビングに戻ると、ソファーで眠ってしまった修二の寝顔を眺めた。

 

もう何週間だろうか。

胸元から胃へかけての不快感に気づき、時に体調の良さを感じこの日々の出口を見つけた気がしても、再び引き戻されることの繰り返し。

 

初期の頃は妊娠に気づかないままかなりの期間が経過していた。

そして双子であるが故の早い時期からの腹部の膨らみに違和感を感じ『まさか』と気づいたあの夜。

一人、動揺の中に感じた思いは不安な気持ちが大半を占めていたが、やはり喜びも含まれた複雑な感情だった。

 

どうして女性ばかりがこんなに苦しい思いをしなければならないのか、お腹の子は自分達夫婦の子どもなのにどうして…

 

憎いとか悔しいとか、そんな感情では無いのだが、ただこの辛い現実から何とか逃げ出したくてたまらなかったのだ。

泣いてもどうにもならないことなのだが、溢れる涙をそのままに歯を食いしばりその場へ倒れ込んだ。

 

「このままじゃ、また入院パターンかも…」

 

長男を妊娠した一年前は、初めての経験ということもあり悪阻がどの程度のものなのか分からずひたすらに耐えた。

痛みには仰々しいほど弱いが、妙な部分で忍耐力があった為、限界が訪れた頃には入院を勧められるほどの状態だったのだ。

 

里美はすがり付く思いでソファーで眠る修二の上にかけられた毛布を剥ぎ、その胸に身を置こうと姿勢を下ろす。

 

「うわっ…!ビックリした!」

「ゔっん゛」

「あっ、悪い!!大丈夫か!?」

 

我に帰った修二は、たった今自分がしてしまったであろう行動に対し、取り返しのつかない事をしてしまったと気付いた。

 

「痛いっ!なんでお腹蹴るのよ。中にいるの分かってるわよね!?どういうつもりよ。」

「本当に悪かった、急に居て驚いた。わざとじゃ無いのは分かるだろ?」

「わざとじゃ無いって言ってもこれは許される事じゃないわよね?」

 

既にお腹でゴニョゴニョと動きを感じる時期を通り過ぎ、小さな命の鼓動を感じるというよりも、忙しなく働き動き回る小人が体内で暴れ回っている様なそんな感覚でいた。

 

今からこんなに激しく胎動を感じていては、小柄な自分の身体では、本来人間が育てるべき滞在期間を過ごさせてやることは出来ないだろうと密かに感じていた。

 

修二は里美を並んでソファーに座らせると、まだ膨らみ始めたばかりのお腹に触れ慈しんだ。

 

「ちびちゃんたち、ママをあんまり苦しい思いさせないであげてくれよ?頼むよ?」

「双子だと悪阻も二倍になるのかと思ってたけどそれは無さそうね。亮二のときの方が辛かった気がするもの。お腹が出るのはだいぶ早いけどね。」

 

そう、今里美の子宮内で目まぐるしく成長を遂げている小さな命は、本来一人だった存在が何かのタイミングで分裂し、二人の人間として成長することを決めたらしい。

 

 

「俺さ、桃瀬の事、好き過ぎてどうしたらいいか分かんないんだよ。どうしてくれるの?」

「…っ、そんな事言われてもね。取り敢えずその思いは任せるしか…」

 

修二からの突然の告白に里美は戸惑いながら視線をそらしたが、その思いは嬉しかった。

昔から大きな愛は感じていたし優しかったし、安心できる存在なのは間違いないのだが、時に修二の思いは強すぎる傾向があった。

そして今もその強い愛をひしひしと感じていた。

 

修二は里美に抱きしめると、まるで小さな子どもが母を独り占めするかのように思いっきり甘えた。

 

「どうしたのよ?修二、甘えん坊さん?」

「だってさ、亮二が起きてたら俺のことは放置だろ?桃瀬もあっという間にママになっちまうだろ。だから今のうちにこうしてるの。」

「放置してるわけじゃ無いけど…でもこんなくっついてたら…」

「何?どうした?」

「……したくなっちゃう。ベッド行こ?」

 

里美はボソボソと小さな声で答え、寝室へと二人は移動した。

 

 

妊娠中はあまりにも性欲が強くなり、亮二の時もそうだったが、日々のキスやスキンシップでさえスイッチが入ってしまうのだった。

 

「どうして欲しい?してあげるよ。」

「わかんないけど…いっぱい仲良くしたい。」

 

 

 

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