猫好きにおススメしない本♪ | 今を楽しもう♡大好きな人たちとワックワクドッキドキの毎日

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中3娘が不登校になってから気づいたあれやこれやを書いてます(≧∇≦)
現在高校2年生です。

私は子供の頃から本が大好きでした。
私達の時代はそれが唯一の娯楽、脳への刺激でしたし、とにかく面白かった。
今の時代に生まれていたら、間違いなく一日中ツイッターをチェックしてたと思う。


小学生の私に一番刺激的だった本はもう何回読んだかわからないこれです。
私の本に対する見方を変えてくれた衝撃の本。
確か小学校四年生くらいに読んだと思う。

「荒野に猫は生きぬいて」

飼い猫に可愛がられていた猫が、飼い主の引越しで手違いで野良猫となってしまって、それでもなんとか生きぬいていく物語。
すみません。あらすじ書くの下手だわー。


小学生の本に夢中になっていた頃に読んで、この本断トツに記憶に残っているのです。
なぜかというと、猫が主人公なのに、まったく猫目線で語られていない。

そして、癒してくれるような可愛い猫ではない。


そういうの珍しくないですか?
統計を取ったわけではないので定かではないですが。

我輩は猫であるとか、三毛猫ホームズとか、猫というのは、日本固有の化け猫のイメージもあるからか、小説だと大体が擬人化されてしまうことが多いです。
そういうのも楽しいですけどね。


この本は、作者が猫に対する愛情がないのかと思ってしまうくらい、猫の感情描写は一切排除されています。
とにかく淡々と俯瞰的に語られています。
飼い猫から野良になってからの猫の生活は辛いものでした。
それまでは飼い猫として、暖かい寝場所があり、毎日食事に困ることもない。優しく撫でてくれる人もいる。
そんな世界しか知らなかった猫ですが、どんなにひどい状況になってもただ「生きる」ことだけを考えて行動する姿を淡々と描いています。自分が産んだ子猫が野良犬に襲われて、生死がわからなくなって、何日かは近辺をうろうろしますが、そのうち忘れて自分の本能のまま、生を全うしていきます。
そこに猫の感情は全く語られていませんが、あの暖かい場所に戻りたいいう帰省本能だけは語られています。
やっと飼い主の元に戻った幸せも束の間、短い生涯を終えます。
ネタバレだけど、あらすじを知っていても面白い本なので、興味があったら読んでみてください。

感情を排除したからこそ、「生きる」という意味がダイレクトに伝わってきて、小学生の頃、初めて読んだ時は意味がわからなかったと思うのですが、これはすごい本だと感じたことだけ覚えています。


私が猫が好きで、やっぱり猫と一緒に過ごしたいなと思う理由の一つがこの本かもしれません。
猫は癒しであると同時に、生命力あふれる命そのもの。
どんな状況に置かれても生き抜く猫の強さに私が憧れているのです。